1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新垣 晋 新潟大学, 歯学部, 助教授 (30134943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 真仁 新潟大学, 歯学部, 助手 (10251828)
中島 民雄 新潟大学, 歯学部, 教授 (10014010)
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Keywords | 口腔癌 / リンパ節転移 / 血管新生阻害 |
Research Abstract |
腫瘍における血管新生は腫瘍細胞により分泌、活性化される血管新生誘導因子により惹起される。固型腫瘍はその径が1-2mmに達すると血管新生が起こるとされ腫瘍細胞からの血管新生誘導因子の分泌は腫瘍の増殖進展の早期の段階から誘導される。腫瘍が誘導した新生血管は、基底膜が薄く分断されやすく腫瘍細胞は正常血管よりも腫瘍血管内に浸潤し易い。転移のもう一つの経路は、腫瘍細胞が隣接リンパ管へ直接浸潤しリンパ系に侵入する経路である。増大した腫瘍の辺縁では腫瘍細胞とリンパ管の直接的な接触が増加することにより、腫瘍血管新生はリンパ系への転移も助長している。 本研究では当科で株化され維持されているリンパ節高転移性扁平上皮癌O-1Nを用い、血管新性阻害剤投与による転移抑制、抗癌剤併用による転移治療を試みた。 高リンパ節転移性扁平上皮癌O-1Nを用いて血管新生阻害剤TNP-470の抗腫瘍効果、転移抑制効果を検討した。 O-1N 1x10^5を頬嚢粘膜下に移植し、移植後毎週8週までTNP-470 50mg/kgを背部皮下投与した。移植後10週で犠牲死させ、移植腫瘍の重量と頚部リンパ節転移頻度を無処置対象群と比較し以下の結果を得た。 TNP-470投与群の腫瘍重量は0.76g、対象群のそれは1.81gと明らかな差がありTNP-470の抗腫瘍効果を認めた。又、頚部リンパ節転移頻度はそれぞれ45%、80%であり、TNP-470の抗リンパ節転移効果が認められた。 TNP-470の抗転移効果は腫瘍増殖を抑制することで発現するものでありリンパ管新生の抑制による直接的効果かどうかは不明である。
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