1996 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群の歯科における集学的治療法の確立
Project/Area Number |
08672294
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
河野 正己 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (20170201)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 健次 新潟大学, 歯学部, 助手 (80242436)
小林 正治 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (80195792)
染矢 源治 新潟大学, 歯学部・附属病院, 教授 (60107787)
|
Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 側方セファログラム分析 / 下顎前方移動装置 / 経鼻式持続陽圧装置 |
Research Abstract |
1.未治療の睡眠呼吸障害患者を対象にして,睡眠ポリグラフ(スリ-プトレース2000)と睡眠オキシメトリーにて無呼吸低換気指数と睡眠中にSp02が90%未満となる時間の比率(90%時間比)を計測して,無呼吸低換気指数が5以上または90%時間比が1%以上を診断基準として成人の閉塞型睡眠時無呼吸症候群患者を選択し,全例に咽頭造影側方セファログラム分析を行い,睡眠呼吸障害と関連深い咽頭気道形態のパラメーター(第40回口腔外科学会総会にて報告)である平均咽頭気道径,咽頭気道面積,咽頭気道長,軟口蓋長,咽頭深度,軟口蓋過剰量,上顎舌骨距離,下顎舌骨距離を計測した. 2.睡眠ポリグラフより得られた無呼吸低換気指数を従属変数とし,咽頭造影側方セファログラムの各パラメータを独立変数として多変量解析を行ったところ,軟口蓋過剰量が最も偏相関係数が高く,(無呼吸低換気指数)=1.48(軟口蓋過剰量)-2.63(平均咽頭気道径)+32.6という相関式が得られた. 3.これを基に,平均咽頭気道径を増加する目的で下顎前方移動装置を作製して下顎前方移動に伴う平均咽頭気道径の増加量と無呼吸低換気指数の変化とを比較検討したところ,下顎前方移動装置による睡眠呼吸障害の改善は顕著であったが,その効果は気道径の変化とは僅かな相関しかなかった(第42回形成外科地方会にて報告). 4.次に,経鼻式持続陽圧装置の作用機序を同じく咽頭造影側方セファログラムを用いて検討したところ,同装置による咽頭気道の拡大作用は軟口蓋を口腔側に移動させて軟口蓋と咽頭後壁の間の気道を拡大することから,主な作用点は中咽頭部にあった.これは,舌根を前方に移動させて下咽頭で気道を拡大する下顎前方移動装置とは作用点が異なり互いに作用機序が競合しないことがわかった. 5.今後,下顎前方移動装置と経鼻式持続陽圧装置との併用療法について研究を推進させる予定である.
|