1997 Fiscal Year Annual Research Report
デンタルインプラントの切除義顎の維持固定源としての臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
08672296
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Research Institution | YAMANASHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20185325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Keywords | デンタルインプラント / 人工歯根 / 顎義歯 / 義顎 / 維持装置 / 顎骨欠損 / 顎顔面補綴 / 維持固定源 |
Research Abstract |
本研究は、顎骨切除後の顎骨欠損部に適用される切除義顎、顎義歯の維持が不十分な症例に対し、人工歯根の植立により、補助的な維持固定源とする応用することを目的とした。悪性腫瘍の治癒率の向上は、その治療法の進歩、改善と相まって最近めざましいものがある。顎顔面領域の腫瘍に於いても同様で、悪性腫瘍切除、顎骨切除などの外科的処置が積極的に行われている。一方、拡大根治術の結果、原疾患は、治癒しても顎骨欠損のため咀嚼、発音、嚥下などの機能的あるいは、顎骨変形などによる審美的障害が後遺する症例も増加傾向にある。これらの顎骨の実質欠損症に対して、適用される顎義歯は、その維持安定が困難なため、その維持固定源を確保するために人工歯根を適用するものである。 顎欠損に対する補綴的処置は、外科手術後の創傷治癒完了後に行われる。一方、人工歯根にはその適用術式から2回法と1回法に分けられるが、本研究では、顎義歯の維持固定源としては可及的に早期に対応しうる点で、後者を選択し行っている。即ち、スパイラル型とシンクレスト型の人工歯根を直接あるいはバ-型維持装置を介した構造で顎義歯を維持固定した。上顎顎義歯は、無歯顎であってもそれ自体、上顎片側の小欠損穿孔では栓塞子により、一般的に安定性が良好であるため人工歯根による維持固定源は、さらに良好な装用性を得ることが可能となった。しかし、上顎欠損部が広範な症例では、安定性をカバーする結果として人工歯根に多大な荷重がかかることになる。さらに上顎骨の構造上、上顎洞の存在、骨の粗造性、そして術前の放射線治療などの諸条件による影響が考えられる。 本年度は、これらの不利な条件下で、人工歯根植立ののち、顎義歯をいかに安定し、転覆を少なくするかなど、その顎義歯維持装置について改良を進め、さらに難症例に対応可能なシステムを構築した。
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[Publications] 大西正俊: "歯科ジャーナル" 国際医書出版, 512-517 (1993)
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[Publications] 大西正俊: "口腔インプラント学" 医歯薬出版, 868-878 (1991)