1996 Fiscal Year Annual Research Report
オ-タコイドと副甲状腺ホルモン関連蛋白による骨代謝調節に関する研究
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08672301
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中澤 光博 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (70217701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 逸郎 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
大前 政利 大阪大学, 歯学部・附属病院, 医員
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Keywords | 高カルシウム血症 / 副甲状腺関連蛋白 / プロスタグランディンE2 |
Research Abstract |
1.SCC-HOSO担癌ヌードマウスによる研究成果 SCC-HOSO担癌ヌードマウスは腫瘍移植後3週頃より血中カルシウムレベルが上昇し、4週では明らかに高カルシウム血症を呈する。この時期には血中副甲状腺関連蛋白(以下PTHrP)は有意に上昇し、血中プロスタグランディンE2(以下PGE2)も上昇していた。プロスタグランディン合成阻害剤インドメサシンの投与により、血中カルシウムレベルの上昇は不完全に抑制され、血中PTHrPの上昇も不完全に抑制された。 2.in vitro培養系での研究成果 SCC-HOSOがPGE2とPTHrPを産出していることは以前に報告したが、この両者の調節機構について実験を行った。RT-PCRにより、SCC-HOSOはプロスタグランディンE2受容体のうち、EP2を発現していることが推測されたが、PTHrPの受容体であるPTH/PTHRP-RのmRNAは検出されなかった。培養SCC-HOSO細胞にPGE2を添加すると、SCC-HOSOのPTHrPのmRNAが発現が増強した。SCC-HOSO培養上清中には長管骨骨吸収活性測定系にて骨吸収活性が認められたが、この活性は、プロスタグランディン合成阻害剤であるインドメサシン共存下で調整した培養上清では不完全に阻害された。また、PGE2共存下で調整した培養上清では増強されていた。 3.まとめ 以上の結果から、SCC-HOSOの産出するPGE2が自身のPTHrP産出を調整(増強)している可能性が示された。今後、その調節機構についての解析を、主に細胞内情報伝達機構を中心に進める。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉川文弘: "悪性唾液腺腫瘍45症例の臨床的検討" 日本口腔外科学会雑誌. 45(3). 286-292 (1996)
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[Publications] 大西徹郎: "高齢者の耳下腺部に発症した木村氏」病と思われた一例" 大阪大学歯学会雑誌. 41(1). 255-259 (1996)
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[Publications] 吉川文弘: "エプ-リス102症例の臨床統計的検討" 日本口腔外科学会雑誌. 45(2). 198-201 (1996)
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[Publications] 松本 憲: "下顎骨骨髄炎の治療とその成績に関する研究" 大阪大学歯学会雑誌. 41(2). (1996)
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[Publications] 岩井聡一: "多形性腺腫およびその悪性型の臨床的特徴の比較検討" 日本口腔外科学会雑誌. 42(6). 590-592 (1996)