1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における腫瘍関連抗原発現の解析とその臨床応用に関する研究
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08672312
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
辻 龍雄 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70144954)
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Keywords | FISH / p53 / Bcl-2 / chromosome17 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌における17番染色体の数的異常をFluorescence in situ hybridization(FISH)法を用いて検出した。p53遺伝子は17番染色体短腕上に存在している。免疫組織染色法によりアポトーシス関連抗原のp53とBcl-2蛋白を検出し、17番染色体異常との関連性について検討した。口腔扁平上皮癌27症例を対象とした。FISH法は、セントロメアDNA特異的プローブ(D17Z1,Onocor社)を用い、Pinkelらの方法で行った。細胞100個以上について計数し、17番disomy、polysomy、monosomyグループに分類した。モノクロナール抗体は、p53(Bp53-12,Bio Genix社)とBcl-2(Daco-bcl-2 124,Dako社)を用い、ABC法で行った。3+:50%>; 2+:25〜50%;1+:5〜25%:0:<5%に分類した。有意差判定は、Man-Whitney U testおよびChi-square testを用い、危険率p<0.05以下を統計学的有意差ありと判定した。扁平上皮癌では有意にpolysomyが増加していた(P=0.0005)。17番polysomyとp53蛋白の過剰発現の間に有意な相関がみられた(P=0.0228)。しかし、17番polysomyと腫瘍のステージ分類(p=0.2275)、再発(p=0.1574)、Bcl-2過剰発現(P=0.6580)との間には関連はみられなかった。p53は81.5%、Bcl-2は48.1%に検出された。p53は核に検出され、Bcl-2は細胞質に検出されたが、核陽性の細胞も散見された。p53過剰発現と再発の間に有意な関連がみられたが(p=0.0441)、Bcl-2とは関連はみられなかった。p53とBcl-2の発現の間には逆相関がみられた(p=0.0421)。17番polysomyは、口腔重層扁平上皮の癌化に関与しており、p53過剰発現とも有意な相関がみられた。この現象に対する仮説として、17番polysomyによって変異型p53遺伝子が増加し、変異型p53遺伝子の活性化によって、p53蛋白の過剰発現がもたらされることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 辻 龍雄: "口腔癌における染色体異常およびp53遺伝子異常." Cytometry Research. 8・1. 1-5 (1998)
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[Publications] Akihiro Kanekawa: "Chromosome 17 abnormality in squamous cell carcinoma of the oral cavity,and its relatiohship with p53 and Bcl-2 expression." Anticancer Research. 19・1(掲載予定). (1999)