1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域における感染症(HSV,HCV,HIV)の唾液中の抗体測定の試み
Project/Area Number |
08672321
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Research Institution | Yokohama University |
Principal Investigator |
林 誠一 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (30238109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市川 誠一 神奈川県立, 衛生短期大学, 助教授 (90106302)
小野 繁 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40103501)
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Keywords | HCV / ELISA / ABC-ELISA / 唾液 / 唾液中抗体 / ウイルス抗体 |
Research Abstract |
唾液中のHCV抗体の測定については唾液の採取方法はオラシュアを用いて採取した。オラシュアはエピトップ社製でqCCの保存液と吸収性のパットが滅菌パックに収まっており、口腔内の唾液をぬぐって耳下腺乳頭付近に3分間あてて採取した。血清抗体でHCVと判定した35検体と陰性検体3について唾液中の特異抗体をELISA法とABC-ELISA法で測定して各一致率を得た。ELISA法では一致率は50.0%であったが、ABC-ELISA法では94.7%と血清抗体価のデータに近い状態を示した。 ELISA法やABC-ELISA法を用いて、唾液中からHCV抗体の測定を行った結果、唾液中にHCV抗体の存在を認められた。唾液中から血清と同程度の抗体測定結果が得られたので、今後スクーリニング検査や臨床に使用可能と思われた。また、感度を上げるための手技や工夫、改良を試みたいと考えている。 唾液による検査は採取が簡単で対象者に苦痛を与えないので、患者の負担を軽減し、採血針などによる針刺し事故の防止に有用な方法である。 本研究でえられた結果は他のウイルス性疾患についても応用が可能であると考えられ,この点でも有用な試みと思われ,今後この方面の開発を考えている。
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