1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672329
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 講師 (40157540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 千春 昭和大学, 歯学部, 助手 (90229485)
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Keywords | 舌運動 / 喉頭挙上 / 嚥下機能 / X線ビデオ |
Research Abstract |
脳血管障害患者11例、筋萎縮性側索硬化症患者2例、パーキンソン病患者1例、脳外傷患者2例について、X線ビデオ法によって嚥下機能の定性的、定量的評価法について検討した。 嚥下の各時期の定性的分析では、口腔期では舌運動に異常が見られた症例が5例、咽頭反射前に造影剤が咽頭に流入した症例が6例であった。咽頭期では、鼻咽腔閉鎖不全が見られた症例が3例、喉頭蓋谷と梨状窩への造影剤の残留が見られた症例がそれぞれ4例と5例、輪状咽頭筋の弛緩不全が見られた症例が5例、造影剤が喉頭に侵入していた症例が5例、誤嚥が見られた症例が6例であった。食道期では、輪状咽頭筋の閉鎖不全による食道からの造影剤の逆流が2例に見られた。次に嚥下動作に要する時間について定量的に検討した。計測項目は、1)喉頭挙上開始時間、2)輪状咽頭筋領域到達時間、3)下咽頭通過時間、4)輪状咽頭筋作用時間である。さらに先に計測したVF検査の定性的所見から喉頭侵入や誤嚥の見られた症例とこれらの所見の見られなかった症例(以下非誤嚥群)に分け、両者の比較を行った。その結果、喉頭挙上開始時間は、非誤嚥患者群では2秒以内であったが、誤嚥患者では6例中2例で3秒以上を要していた。輪状咽頭筋領域到達時間では誤嚥症例のうち1例で、下咽頭通過時間は誤嚥患者2例で、非誤嚥患者群に比べて著しく延長していた。輪状咽頭筋反応時間では、誤嚥患者6例のうち5例で反応時間が長くなっていた。 これらの結果から誤嚥患者では口腔から咽頭への送り込みが悪い場合、喉頭挙上が遅れる場合、輪状咽頭筋の作用不全などが見られ、そのために食塊が口腔や咽頭に貯留した状態となって誤嚥を引き起しやすくなるものと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Michiwaki Y. et al.: "Intraoral Reconstruction using the Radial Forearm Flap after Tumor Ablution" Asian Journal of Oral & Maxillofacial Surgery. (印刷中). (1997)
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[Publications] 道脇幸博 道健一他: "中枢性口腔機能障害の歯科医学的治療" 歯科医師会雑誌. 49・6. 4-14 (1996)
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[Publications] 道脇幸博 道健一他: "中枢性嚥下機能障害の評価法について-X線ビデオ法による検討-" 音声言語医学. 38・1. 53-53 (1997)