1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌術後言語障害の治療に関する研究-治療前後の構音動態および音声の客観的評価-
Project/Area Number |
08672331
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
今井 智子 昭和大学, 歯学部, 講師 (60260907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩二 昭和大学, 歯学部, 講師 (40197140)
鈴木 規子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10112731)
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 講師 (50260906)
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Keywords | 口腔癌 / 術後機能 / 構音障害 / 歪み音 / 客観的評価 |
Research Abstract |
口腔癌術後言語障害患者の構音動態および音声の客観的評価に関して、以下の項目を行った。 1. 構音動態の解析 エレクトロパラトグラフィーにより得られた舌と口蓋の接触パタンを、正常人のパタンを基準として分類したところ、舌・口底切除例では正常人とは異なるパタンを示す症例が多いことが明らかとなった。 2. 歪み音の客観的評価 1) 評価基準の作成 舌・口底切除患者のスピーチは歪み音が主体であるため、従来の明瞭度検査で評価することは困難である。そこで、他の音に聴き誤られない程度の歪みを聴覚的に検出可能な評価基準を作成した。被検音は摩擦音から/s/,破裂音から/t/を選択し、各々の音について歪みの程度、構音点、構音様式の項目をパラメーターとして設定した。 2) 言語聴覚士による聴取実験 1)で作成した評価基準に基づき、種々の程度の歪みを有する舌・口底切除患者の音声の評価を行った。 3. 構音動態と音声の関連 1と2の結果から、舌・口底切除患者の舌と口蓋の接触パタンと歪み音との関連について検討を行った。その結果、舌と口蓋の接触パタンの著しい逸脱を示す症例では、音の歪みの程度も大きいことが明らかとなった。
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