1996 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌における組織培養抗癌剤感受性試験の有用性に関する研究
Project/Area Number |
08672343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
柳井 智恵 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (70257004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 雅利 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (30192975)
鈴木 宗一 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (90095167)
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Keywords | Oral cancer / Histoculture drug response assay / Cheomosensitivity |
Research Abstract |
本研究はHistoculture Drug Response Assay(以下HDRA)を用いて口腔癌の臨床腫瘍材料を対象に抗癌剤感受性試験の検討を行い,口腔癌に対する化学療法の効果を予測する新たな抗癌剤感受性試験法の開発を目的とする。 対象症例は口腔外科に受診した進行口腔扁平上皮癌患者6例,6検体である.腫瘍の部位別内訳は舌3例,口底1例,上顎1例,頬粘膜1例であった.薬剤はcisplatin(CDDP),Carboplatin(CBDCA),Adriamycin(ADM)を用いた.研究方法は原発巣より可及的に無菌的に採取した生検組織,または手術時に採取した癌組織を1mm角に細切し,組織重量を測定したものをコラーゲンゲル上で7日間薬剤接触させ培養した.培養終了時にMTT試薬を添加し,さらに8時間培養した.培養終了時にMTT-formazanを溶解するためにdimethyl sulfoxideを加えた.2時間後に抽出液を96ウェル・マイクロプレートに移し,各ウェルの540nmにおける吸光度をMicro plate readerを用いて測定した.薬剤による抑制率Inhibition Index(%)は(1-薬剤接触検体の1g当たりの吸光度/対照検体の1g当たりの吸光度)×100より算出し,50%以上の抑制率をin vito感受性ありと判定した.薬剤のウェルは最低3ウェルとした.対照群のウェルの平均吸光度が15以上であった場合を判定可能症例とした.また,病理組織標本として培養終了時の検体にhematoxylineosin(HE)染色を行った. MTTアッセイの結果として6例中5例判定可能であり,判定可能率は83%であった.CDDP感受性が得られた2症例は術後adjuvant cheomtherapyとしてCDDP 100mg/m^2(day1),5-FU1000mg/m^2(day5)を行い,無担癌生存中である.さらに,本研究では放射線療法に少量のCDDPあるいはCBDCAの同時併用療法の有用性に着目し,HDRA抗癌剤感受性試験の結果に応じて臨床例での治療効果を検討している.症例がまた少ないが,今後も症例を追加して検討していく.
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