1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯科インプラントの交合圧による応力分布に伴う、3次元有限要素法の有用性
Project/Area Number |
08672346
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Research Institution | Asahi University, School of Dentistry |
Principal Investigator |
兼松 宣武 朝日大学, 歯学部, 教授 (40076097)
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Keywords | ストレンゲージ / 歯科インプラント / 骨の改造 / 応力分布 / 組織学的検索 |
Research Abstract |
成犬の顎骨に植立したインブラントに対する、咬合圧に伴う応力の波及を・顎骨表面に貼付したストレンゲージを用いて計測した結果、ヒドロキシアパタイトコーティングインブラントの場合、応力はインブラント体の頚部附近の緻密骨に集中してから頬舌側の皮質骨を通じて、顎骨全体に波及している・チタンインブラントにおいては、インプラント体からの応力の波及は顎骨全体に波及しない。これは、インブラント体にかかる応カが、インブラント底部から海綿骨に波及し、その部分で収束するためと思われる。成犬にインブラントを植立して、機能的咬合圧を負荷した場合の組織学的所見において、ヒドロキシアパタイトインブラントでは、インブラント体頚部附近に接合する緻密骨において、骨の改造現象が著明に見られ、同部に骨が添加されている。インブラント体中央から底部においては、骨の改造された所見はほとんどみられない。チタンインブラントでは、インブラント体頚部に接する緻密骨の骨の改造所見はほとんどみられない変わりに、インブラント体底部附近から顎骨中心部の海綿骨にかけて著明に骨の改造現象が発現している。この様に2種類のインブラントにおける組織所見の差が発現した理由として、それぞれのインブラントにかかる応力の分布状態が異なるためだと思われる・すなわち・骨と強固に接合するヒドロキシアパタイトインブラントの場合、咬合圧に伴う応力がインブラント頚部に集中する結果、その部に接合する緻密骨に集中して骨の改造所見が発現する。顎骨と強固に接合しないチタンインブラントにおいては、応力の伝搬がインブラント体底部附近の海綿骨に集中するために、同部の骨の改造現象が著明に発現したものと思われた。
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