1996 Fiscal Year Annual Research Report
変形性顎関節症モデル(羊)を用いた凍結保存関節円板移植に関する実験的研究
Project/Area Number |
08672347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
小木 信美 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (90211127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (40133483)
河合 幹 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50064788)
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Keywords | 顎関節 / 変形性顎関節症 / 関節円板切除 / 関節円板移植 / 羊 |
Research Abstract |
羊4頭の左右顎関節に対して、石丸・ゴスの手法に従って変形性顎関節症を発症させる実験を最初に行った。 羊新鮮屍体から摘出した右顎関節円板をマイナス70度Cのディープフリーザ-内に凍結保存した。 発症実験から3カ月後、変形性顎関節症となった羊の右側の顎関節腔を開放し、顎関節円板を鋭的に切除し、凍結保存した他家の顎関節円板を解凍後、同位に移植した。 発症から3カ月後の時点で右顎関節内では、視診上、関節円板の穿孔や下顎頭の変形といった変形性顎関節症の形態変化が確認された。 移植した他家の顎関節円板は、新鮮な顎関節円板と比べるとやや透明性に欠けるものの、触診上は滑沢で柔軟性があり、移植時にナイロン糸で縫合したが、特に組織が脆いとか、断裂しやすいとか、逆に硬くなっているという印象は受けなかった。 左側顎関節はコントロールとして、この時点では手術操作を加えなかった。 最初の変形性顎関節症の発症実験から6カ月経過した時点で、羊に過量の麻酔薬を静脈注射し、屠殺した。 羊頭部から両側の顎関節をそれぞれ一塊として摘出し、前後方向と側面からレントゲン撮影を行った。 標本を中性緩衝ホルマリンにて固定後、塩酸EDTA脱灰液で脱灰し、外側、中央、内側の3ブロックに分割した。 更に各ブロックを通法に従ってパラフィン包埋を行い、病理組織切片を作製し、HE染色を施した。 レントゲン写真上で左右の顎関節はともに変形し、放射線学的に変形性顎関節症の所見を認めた。 病理組織切片の所見から、左側コントロール側では、顎関節円板の穿孔、下顎頭内の骨髄の線維化などの変形性顎関節症の変化が一様に観察された。 また、右側の凍結保存関節円板移植を行った顎関節では、移植した顎関節円板は穿孔し、転位していたが、関節内に線維性癒着の所見は認められなかった。
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