1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672356
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
五十嵐 薫 東北大学, 歯学部, 助手 (70202851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 修一 東北大学, 歯学部, 助手 (60271954)
笹野 泰之 東北大学, 歯学部, 助手 (30196191)
溝口 到 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20200032)
三谷 英夫 東北大学, 歯学部, 教授 (50014220)
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Keywords | 骨細胞 / 歯槽骨 / 歯の移動 / 細胞間ネットワーク |
Research Abstract |
歯槽骨内には1cm^2あたり二万5千個あまりの骨細胞が存在し、お互いに、あるいは歯根膜の細胞系と連結して細胞間ネットワークを形成し、骨改造過程に重要な役割を担っていることが指摘されているが、その詳細なメカニズムに関しては不明のままである。また、矯正学的歯の移動に伴う歯槽骨・骨細胞の反応、あるいはそれに伴う歯槽骨基質の変化に関しては、ほとんど研究が行われていない。そこで本研究では、生後8週齢のウィスター系雄性ラットを用いて実験的歯の移動を行い、移動に伴う歯槽骨・骨細胞の形態学的変化についてアクチンフィラメントに対する免疫組織学的手法を通して検討した。また、実験に先立ち、骨細胞の代謝活性、形態変化を把握するためのマーカー分子の検討も合わせて行った。その結果、以下のことが明らかとなった。 1) 骨細胞は代謝活性が低く、特異的なマーカーが存在しない骨細といわれており、矯正力に対する細胞の反応性を明らかにするためには、骨細胞のマーカーの決定が必要不可欠であった。このためさまざまなコラーゲン性たんぱく質あるいは非コラーゲン性蛋白に関して検討を行ったところ、オステオカルシン(特にそのprecursor)分子が細胞の反応性をみるのに優れていることが明らかとなった。 2) 歯に矯正力を付加すると移動後早期(12時間後)にすでに歯根膜組織の硝子様変化を生じ、7日目に変性組織がほぼ消失した。移動後1日目において変性組織に対応する歯槽骨・骨細胞の萎縮、核の濃縮等が認められた。アクチン染色でみると、移動後1日目において、細胞突起の消失、染色性の低下が認められた.移動後4日後には、完全に骨細胞は消失し、空胞化した骨小腔が認められた。このことは、矯正力によるメカニカル・ストレスに対する骨細胞の反応というよりも、変性組織の出現による歯根膜サイドからの細胞間ネットワークの消失によるものと考えられた。
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[Publications] Mizoguchi I.: "Localization of biglycan, decorin and large chondroitin sulfate proteoglycan in adult temporomandibular joint disc." Archives of Oral Biology. 43. 889-898 (1998)
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[Publications] Sasano Y.: "Type X collagen is not localized in hypertrophic or developing rat trachea." Anatomy and Embryology. 197. 399-403 (1998)
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[Publications] Igarashi K.: "Diurnal variation in tooth movement in response to orthodontic force in rats." Am.J.Orthod, Dentofacial Orthop.114. 8-14 (1998)
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[Publications] Takeuchi M.: "Localization of anti-monocyte/macrophage antibody-positive cells in periodontal tissue of rat maxillary molars after orthodontic tooth movement." 東日本歯科学会誌. 16. 233-238 (1997)
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[Publications] Kagayama M.: "Expression of osteocalcin in cementoblasts forming acellular cementum." Journal of Periodontal Research. 32. 273-278 (1997)
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[Publications] Kagayama M.: "Localization of glycosaminoglycans in periodontal ligament during physiological and experimental tooth movement." Journal of periodontal Research. 31. 229-234 (1996)