1996 Fiscal Year Annual Research Report
圧電薄膜フィルムを用いた3次元舌運動計測装置による異常舌運動の同定
Project/Area Number |
08672377
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丸山 陽市 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (50173969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 泰浩 長崎大学, 歯学附属病院, 助手 (20264252)
|
Keywords | 開咬 / 舌運動 / 異常舌運動 |
Research Abstract |
現在までに,矯正治療前後の舌の異常運動の同定方法や治療後の形態変化に対する舌運動適応の評価方法はまだ確立されていない.平成8年度の研究目的は,舌背表面に接着した圧電薄膜フィルムにより舌面の形状曲率を計測することにより,舌運動の動的な形状変化を推定できる舌運動計測装置を作成することである.現在までに得られた知見は以下の通りである. 1.圧電薄膜フィルムを半径rの円筒に密着させ,曲率(1/r)に対する発生電圧(V_p)の特性を求めた結果,曲率と発生電圧との間には線型関係が認められた. 2.Y-Z平面の5個直列に配列したセンサで5点の曲率を計測した結果,電極部の曲率は一定と仮定した場合には電極間の曲率は一次補間により求められ,圧電フィルム状の位置と曲率との関係を表す曲率関数を作成した. 3.曲率関数より圧電フィルムの形状(Y-Z平面)を推定するアルゴリズムを検討した. (1)圧電薄膜フィルムの電極部分を255分割した微小距離Δ1ごとに曲率を求める.圧電薄膜フィルム上任意の位置A_n(n=1,2,3,……,N)における曲率をR_nとすると,偏角α_n,差分偏角θ_nはθ_n=Δ1・R_n,α_n=θ_n+α_<n-1>になる. (2)A_nに対応するY-Z平面上での点P_nの座標を(Y_n,Z_n)とすると,Y-Z平面での点P_nとP_<n+1>との位置関係はY_<n+1>=Y_n+Δ1・cos(α_n),Z_<n+1>=Z_n+Δ1・sin(α_n)になる. (3)舌尖に相当する座標P_o(Y_o,Z_o)が決定できれば,計測した曲率関数よりY-Z平面での座標(Y_n,Z_n)が,Δ1間隔で逐次計算で求められ,2次元形状が推定できる. (4)今後は,1)〜3)までのアルゴリズムを3次元空間まで拡張する予定である.
|