1997 Fiscal Year Annual Research Report
バイモルフ圧電薄膜フィルムを用いた3次元舌運動計測装置による異常舌運動の同定
Project/Area Number |
08672377
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丸山 陽市 長崎大学, 歯学部附属病院, 講師 (50173969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 泰浩 長崎大学, 歯学部附属病院, 助手 (20264252)
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Keywords | 開咬 / 嚥下 / 異常舌運動 |
Research Abstract |
本研究の被験者は,研究の目的や計画を説明したうえで研究に対して協力の同意を正常咬合者1名と開咬症例1名とした.バイモルフ圧電フィルムを5個配列したセンサを矢状面方向に3列配置し,舌表面にシアノアクリレート系接着剤を用いて接着し,無意識下での自然嚥下時の発生電圧を得た.しかし,舌表面側方の曲率は舌背正中部の曲率よりかなり小さく,曲率の特徴も類似していたため,嚥下時の舌運動計測には舌正中部だけの計測で十分であった.計測の結果は,以下の通りであった. 1.正常咬合者では舌背部でのセンサの曲率が大きく,舌背部の挙上が認められたが,開咬症例では舌背部でのセンサの曲率が小さく,舌背部が平坦な状態で嚥下を行っていた. 2.正常咬合者では,舌尖が最上方位に到達する前に舌背の低下が発生し,舌尖が最上方に位置した後に,舌背は最下方に位置していた. 開咬症例では,舌背低下の開始時期は正常咬合者と類似していたが,舌尖の上方移動量は小さく,舌背の最低下のが正常咬合者よりも早期に出現し,舌尖が最上方に位置する以前に,舌背は最下方に位置していた.以上の結果より,開咬症例では,嚥下に必要な陰圧を維持するために前歯部開咬に順応した代償的な舌運動が発生し,舌尖が下顎前歯の切端をのり越えて上下顎前歯間に突出し,唾液嚥下に必要な陰圧形成が困難なために,正常咬合者より舌背部の降下が早期に起きていることが推測される.今回は,正常咬合者と開咬症例1名であったため,この結果だけで開咬症例すべてに認められる異常舌運動かどうかは断定できず,今後は被検者を増やすべきであると思われる.
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