1998 Fiscal Year Annual Research Report
顎機能異常や全身的な咬合関連症を惹起しない矯正治療の最終目標の究明
Project/Area Number |
08672401
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Research Institution | AICHI-GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
不破 祐司 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80183599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 昭二 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80175504)
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Keywords | 下顎位 / 筋電図 / 矯正治療 / マイオモニター |
Research Abstract |
矯正治療の終末において顎機能異常や全身的な咬合関連症を引き起こさない下顎位(治療目標)を確立するために,本研究を行なった. 本研究では,顎関節部とともに下顎位を規定する下顎挙上筋群(咬筋,側頭筋等)に電気刺激を与え,不随意的に誘導した下顎位を三次元的に記録し検討することにより,成長期を含めた下顎の偏位を伴う不正咬合者の歯科矯正治療をより確実なものとし,かつ治療前後の筋活動と下顎運動およびセファログラム分析による下顎の変化や顎態との関連を検討する.これは診断,治療法の確立に役立つものと考える. 平成8,9年度は下顎の偏位を件う不正咬合者に対して,下顎挙上筋群にマイオモニターにて電気刺激を与え,不随意的に誘導した下顎位を三次元的に記録し,筋電図を採得してきたが,そもそも下顎偏位を伴う不正咬合者において,舌房は頭蓋に対して左右非対称であると考えられる.このような口腔内環境にある被験者に対してマイオモニターを用いて得られた下顎位には,どのようなバイアスがかかるのかをふまえることが重要である. そこで,平成10年度は平成8,9年度の資料採得を継続する一方で,舌房が左右非対称である場合の機能的特性を解明すべく,以下の研究を行った. 舌房の左右非対称性が,下顎位にどのような影響を与えるかを検討するために,下顎の偏位を伴わない機能正常咬合者を被験者として,レジンプレートを用いて実験的に片側性の舌房縮小を行って,マイオモニターを用いて得られる下顎位にどのような影響を与えるのか,検討を行った. その結果,レジンプレート装着側に下顎が有意に変位する被検者があることがわかった.また,そのような場合には閉口時の早期接触も出現することが判明した.
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