1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672437
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
佐藤 義朗 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (80080183)
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Keywords | アンモニウム イリド / Sommelet-Hauser転位 / Stevens転位 / 有機ケイ素化合物 / 有機スズ化合物 / フッ素化合物 |
Research Abstract |
1.フッ化セシウムを用いる脱シリル化反応によるイリド生成では,イリドは非塩基性条件下で定量的かつ位置特異的に生成する特長がある反面,イリドの異性化反応を塩基性条件下で進行させようとする時には,反応系に強塩基性アミンを追加する必要があった。そこで,塩基性条件下で位置特異的にイリドを発生させる反応の開発を目的とした研究を行った。即ち,イリドアニオンを発生させたい位置にトリアルキルスタニル基を導入しておき,塩基による脱スタニル化反応を検討した。即ち,N, N-dimethyl-N-[(tributylstannyl)-methyl] benzylammonium塩に2等量のブチルリチウムを作用させるとN-methylideのSommelet-Hauser転位体が,等量のLDAを作用させるとN, N-dimethyl-2-[(tributylstannyl)-methyl] benzylamineが何れも高収率で得られる事を明らかにした。この後者の化合物を4級化するとキノジメタンの発生源として有用であることを明らかにした。 2.フッ化セシウムを用いる脱シリル化反応によるイリド生成で,分子内にカルボニル基などの電子吸引基が存在するbenzylammonium塩からN-methylideを発生させた時の転位反応を調べた。その結果,カルボニル基がアンモニウム塩のβ位に存在すると水素移動によるイリドの異性化が起こり,複数のイリドからの転位生成物の混合物になるが,カルボニル基がδ位に存在するときには影響は少なく,正常な転位生成物が得られることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuhiro Maeda: "Reaction of N, N-dimethyl-N-[(trialkylstannyl) methyl] benzylammonium iodides with organolithium compounds" The Journal of Organic Chemistry. 61. 5188-5190 (1996)
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[Publications] Chen Zhang: "Generation and reaction of benzylammonium N-methylides with N-cyano-methyl or N-[(ethoxycarbonyl) alkyl] groups" Journal of the Chemical Society, Perkin Transaction 1. 25-28 (1997)