1996 Fiscal Year Annual Research Report
三フッ化ホウ素とトリアルキルシリル誘導体から調製される新規ルイス酸に関する研究
Project/Area Number |
08672439
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
堀田 清 北海道医療大学, 薬学部, 助教授 (50181540)
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Keywords | ルイス酸 / BF_3・OEt_2 / C-グリコシル化反応 |
Research Abstract |
1.有機合成化学の分野でルイス酸として汎用されているトリメチルトリフレート(TMSOTf)と三フッ化ホウ素エーテル錯体(BF_3・Et_2O)がアセトニトリル中で速やかに反応して新しいルイス酸BF_2(OTf)を生成することを見いだした。すなわち、BF_3・OEt_2とTMSOTfについて^1H,^<11>B,^<19>Fの各NMRを測定し詳細に検討した結果、BF_3・OEt_2とTMSOTfを1:1で加えた時に^1H-NMRにおいて完全にTMSOTfのシグナルが消失し、新たに生成したTMSFのシグナルが観測され、また^<11>B-NMRにおいて完全にBF_3・OEt_2のシグナルが消失し新たに単一のホウ素分子種の存在が確認された。さらに^<19>F-NMRからはそのフッ素の積分値によりOTf(-SO_3CF_3)基がホウ素に1つ結合していることが認められたことにより新たに生成した化合物はBF_2OTfであると推定できた。この反応はケイ素原子とフッ素原子の非常に高い親和性に基づくものであると結論づけることができる。TMSOTf以外にもTMSOMs,TMSOMe,TMSH,TMS-ally1についても検討し結果反応速度の差はあれ、いずれもこの反応が進行することが分かった。但し、ホウ素原子と親和性の乏しい原子を有するTMSH,TMS-ally1についてはその反応速度は極めて遅いことも分かった。 2.この新しいルイス酸を用いてC-グリコシル化反応を検討したところイドース型ピラノース誘導体のC-アリルグリコシル反応において、分子内に存在する水酸基を保護することなく反応が高選択的に進行することを見いだした。
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[Publications] Sansei Nishibe: "On the Constituents of Bark of Fraxinus americana" Natural Medicines. (in press). (1997)
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[Publications] Kiyoshi Horita: "Stereoselective Total Synthesisaf Lysoceilino I" Tetrahedron. 52. 531-550 (1996)
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[Publications] Kiyoshi Horita: "Stereoselective Total Synthesis of Lysocelline II" Tetrohedron. 52. 551-564 (1995)
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[Publications] Kiyoshi Horita: "Synthetic Study of Halichondrin B" Heterocycles. 42. 99-104 (1996)