1997 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ラジカル反応の開発及び生理活性物質合成への応用
Project/Area Number |
08672441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西田 篤司 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80130029)
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Keywords | ラジカル環化反応 / ジアステレオ選択性 / キラル補助基 / ルイス酸 / アルコキシラジカル / β-開裂反応 |
Research Abstract |
1)ジアステレオ選択的ラジウル環化反応の基礎的研究の一環として、光学活性トランス-2-(N-ベンゼンスルホニル-N-ベンジルアミノ)シクロヘキサノールを不斉補助基とするキラルα、β-不飽和エステルへの末端アルケニルラジカルの環化反応を検討した。本不斉補助基は両対掌体が容易に合成可能な光学活性トランス-2-アミノシクロヘキサノールから高収率で合成した。ラジカル環化反応は化学収率92%で進行しジアステレオ選択性は53%であった。これまで8-フェニルメントールを用いて観測されたジアステレオ選択性(80%de)と比較したところ、選択性は低かったが、今後アミノ基上の置換基の異なる誘導体を種々合成し、選択性の向上を検討する予定である。 2)橋頭位にアルコキシラジカルを発生するように設計した絵ボキシデカリンチオカルボニルイミダゾリドを合成しラジカル反応を行ったところ、アルコキシラジカルのβ-開裂反応を経由する骨格転移反応が進行した。生成物を精査したところBicyclo[6.3.0]undecanone誘導体およびBicyclo[5.3.1]undecanone誘導体であることが判明し、10員環炭素ラジカル中間体からの再閉環の際にexo-環化とendo一環化の両方が進行していることが判明した。このタイプの環化反応でendo-環化反応が観測されたのは始めてである。さらに、基質上の置換基の立体化学が生成物の生成比に大きく影響することも見だした。本反応の天然物合成への応用について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Atsushi Nishida: "Skeletal Rearrangement via Alkoxy Radical:Conversion of Epoxydecalin Thiocarbonylimidazolide to Bicyclo[6.3.0]undecanone and Bicyclo[5.3.1]undecanone" Tetrahedron Letters. 38巻31号. 5519-5522 (1997)
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[Publications] Atsushi Nishida: "Development of New Radical Reactions:Skeletal Rearrangement via Alkoxy Radical and Asymmetric Radical Cyclization" Reviews on Heteroatom Chemistry. 16巻. 287-311 (1997)