1998 Fiscal Year Annual Research Report
不斉ラジカル反応の開発及び生理活性物質合成への応用
Project/Area Number |
08672441
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西田 篤司 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80130029)
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Keywords | ラジカル環化反応 / ジアステレオ選択性 / キラル補助基 / ルイス酸 / trans-2-アミノシクロヘキサノール / 2-シクロペンテニル酢酸 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において合成法の確立した、光学活性トランス-2-(N-ベンゼンスルホニル-N-ベンジルアミノ)シクロヘキサノール及びその誘導体を不斉補助基として用いるキラルα、β-不飽和エステルへの末端アルケニルラジカルの環化反応を検討した。5員環形成反応は化学収率92%で進行し加水分解後、(2-シクロペンテニル)酢酸が53%のエナンチオマー過剰率にで得られた。光学活性(2-シクロペンテニル)酢酸はコリオリン、ヒルスチン酸などの抗腫瘍性トリキナン類や、Alepraic Acidなどの天然シクロペンテニル脂肪酸類の合成出発物質と,して有用である。さらに不斉収率を向上するべく、キラル補助基としてトランス-2-[(N-ベンゼンスルホニル-N-(4-フェニルベンジル)アミノ]シクロへキサンールを合成し、ラジカル環化反応に用いたが不斉収率の向上には至らなかった。環化前駆体の立体配座 ^1H-NMR.、半経験的分子軌道計算により解析したところ、今回設計した不斉補助基はラジカル受容基である不飽和エステル部分のパイ平面を遮へいし得ることが明らかとなった。更に、置換基を変換することにより効果的な不斉補助基の創出が可能であることが不唆された。 同様に、6員環ラジカル環化反応を検討し、化学収率53%にてラジカル環化体を得、引き続き補助基を除去することにより(2-シクロへキセニル)酢酸が不斉収率38%で得られた。
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