1997 Fiscal Year Annual Research Report
新規な骨格をもつ中枢神経薬の基礎研究-抗うつ作用を有する生薬成分を中心として-
Project/Area Number |
08672442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大島 吉輝 東北大学, 薬学部, 教授 (00111302)
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Keywords | 甘松香 / セスキテルペノイド / 抗うつ薬 / 抗パーキンソン薬 / ポールテスト / カタレプシ-テスト |
Research Abstract |
1.平成8年度の本研究において、マウスを用いた強制遊泳試験により漢薬・甘松香のメタノールエキスから活性画分(メタノールエキスのエーテル可溶部をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画することにより得られるヘキサン-酢酸エチル(9:1)および(5:5)溶出画分)を濃縮した。そこで、平成9年度では、活性画分に含まれる成分の詳細に検討した。その結果、ヘキサン-酢酸(5:5)画分から2種の新規セスキテエペノイドと考えられる成分を単離することができた。今後、これらの化学構造を明らかにする予定である。 2.パーキンソン病はアルツハイマー型老年痴呆とともに高齢者に多発する脳疾患であり、新たな治療薬が求められている。本研究では、新たな抗パーキンソン薬のリ-ド化合物を天然資源に求めることを目的としてスクリーニング法を検討した。すなわち、パーキンソン病治療薬として用いられているレボドーパ、ブロモクリプチンの効果がポールテスト、カタレプシ-テストによって判断可能かどうかを確かめた。なお、パーキンソン病様症状は抗精神病薬として汎用されるハロペリドールを投与することにより誘起することとした。その結果、ハロペリドールで誘発した運動障害に対して両薬剤は顕著な改善効果を示した。従って、ポールテスト、カタレプシ-テストが抗パーキンソン薬開発においてきわめて簡便なスクリーニング法であることが明らかになった。今後、本法を用いて各種天然資源の活性物質を検索する予定である。
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[Publications] Tsuneyasu Kobayashi: "Effects of L-DOPA and bromocriptine on haloperidol-induced motor deficits in mice" Life Sciences. 61. 2529-2538 (1997)
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[Publications] Tsuneyasu Kobayashi: "Effects of L-DOPA on haloperidol-induced motor deficits in mice" CYRIC Annual Report (Tohoku University). 113-120 (1996)