1996 Fiscal Year Annual Research Report
新規海洋天然物Kapakahine B関連化合物の合成研究
Project/Area Number |
08672463
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
杉野 栄一 福山大学, 薬学部, 助教授 (00179144)
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Keywords | Kapakahine B / 海洋アルカロイド / 抗腫瘍性 / β-カルボリン / 環状ヘキサペプタイド |
Research Abstract |
1995年に単離・構造決定されたペプチド系抗腫瘍性海洋アルカロイドKapakahine Bの全合成を目的として研究を開始した.始めに,Kapakahine Bの核(コア)部分と言うべき特徴的な2-オキソテトラヒドロ-α-カルボリン環を当初のターゲットとして選択し,合目的新規合成法を立案・完成させ,つぎにその特異な環状ヘキサペプチドを2-オキソテトラヒドロ-α-カルボリン核から出発し,全合成を完了する計画である. Kapakahine Bの構造中,トリプトファンとフェニルアラニン由来の2-オキソテトラヒドロ-α-カルボリン環の縮環部(4a位炭素)は,さらにもう一つのトリプトファン由来のインドール環の1位窒素が結合して4級炭素となっている.この4級炭素部分の構築をインドール-2-イソシアナ-トと臭化ビニルマグネシウムから導かれるビニルアミドの熱あるいは光による電子環状反応で行う事とすると,出発原料化合物には,3-(1-インドリル)インドール-2-カリボン酸が必要とされる.そこで,そのモデル化合物として,3-(1-ピロロ)インドールの合成を行った.インドール-3-カルボキサアルデヒドをN-ベンゼンスルホニルインドール-3-カルボキサアルデヒドを常法に従い,mCPBA酸化により収率68%でN-ベンゼンスルホニル-3-オキシインドールとした.本品を等モルのピロールと共にメタノール中,室温にて攪拌するとモデル化合物とした3-(1-ピロロ)-2,3-ジヒドロインドールが得られた.現在,このルートをインドール-2-カルボン酸と2,3-ジヒドロインドールを用いて検討中である.
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