1996 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータ蛍光画像解析法による膵島B細胞機能の発達・加齢薬理学的研究
Project/Area Number |
08672523
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
石井 邦雄 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (90137993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 由幸 静岡県立大学, 薬学部, 助手 (10275109)
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Keywords | 膵ランゲルハンス氏島B細胞 / 細胞内遊離カルシウム・イオン濃度 / fura 2 / 一酸化窒素(NO) / L-Arginine / cGMP / 発達 / 加齢 |
Research Abstract |
正常な成熟ラット並びに幼若ラットから単離した膵島B細胞(B細胞)において、fura 2を用いた細胞内遊離カルシウム・イオン濃度の二次元的解析を中心に細胞内イオン環境の変化を追跡する実験を行うと共に、老齢ラット及び交感神経欠如ラットの作製に着手した。また、昨夏に本学部に納入された共焦点レーザー顕微鏡のセットアップと、それによるB細胞内遊離カルシウム・イオン濃度の三次元的解析の準備を開始した。 中等度刺激濃度のグルコースまたは同濃度の経口血糖降下薬の存在下、B細胞にNO-cGMP系関連薬物を作用させたところ、細胞内遊離カルシウム・イオン濃度の上昇反応が認められた。非刺激濃度のグルコース存在下、経口血糖降下薬の非存在下、または高濃度カリウム・イオンによる脱分極下では、何れのNO-cGMP系関連薬物も細胞内遊離カルシウム・イオン濃度を上昇させなかった。本研究に用いたNO-cGMP系関連薬物は、以下の通りである:膜透過性cGMP誘導体(8-bromo-cGMP)、グアニル酸シクラーゼを活性化物質(心房性ナトリウム利尿ペプチド〔ANP〕、一酸化窒素〔NO〕)、NO合成酵素の基質(L-Arginine〔L-Arg〕)、及びNOを遊離する薬物(sodium nitroprusside〔SNP〕、NOC5、及びNOC7)。これらの結果は、NO-cGMP系の活性化は、ある種の条件下で、B細胞からのインスリン分泌に対し促進的な修飾効果を発揮することを示唆している。 今後、発達・加齢に伴いB細胞機能がどのような変遷を遂げるかを、これらの反応を中心に検討していく計画である。
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