1996 Fiscal Year Annual Research Report
機能性複素環N-オキシドの化学特性に基づく活性酸素種の発生と応用
Project/Area Number |
08672564
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
酒向 孫市 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (10137060)
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Keywords | 含窒素複素環N-オキシド / 光化学的反応性 / 水酸ラジカル / DNA鎖切断剤 / 活性酸素種 / 一酸化窒素 / 気管支拡張作用 |
Research Abstract |
Pyrimido[5, 4-g]pteridine N-Oxide類(1)は極めて高度な光酸化能を有する。即ち、(1)は光励起下に、有機溶媒中では酸化代謝酵素の活性酸素種(鉄オキセノイド)に酷似した挙動を示し、また、水系では水酸ラジカルを高効率に発生する。これらの知見を元に、効率良いDNA鎖切断剤を構築する目的で、(1)の誘導体合成と反応性検討を行った結果、(1)へのインターカレータの装着は著しいDNA鎖切断向上を招くことが判明した。また、(1)によるヌクレオシド類の光分解では、シチジン類塩基部が優先的に遊離することが判明した。高純度な水酸ラジカルの効率良い発生法は、核酸をはじめとする生体物質の損傷研究に重要なばかりでなく、癌療法のための新規デザインを可能にする。それ故、(1)を用いる水酸ラジカル発生法はそれらの新機軸を開くものである。なお、(1)の誘導体は、通常の(光照射下ではない)条件下では、顕著な抗癌活性を示さない。 Furazano[3, 4-d]pyrimidine N-オキシド類(1)には、構造の特徴から、(1)と類似した化学反応性が期待された。そこで、その簡便合成を開発し、化学反応性を調べた結果、(2)は光照射下では非常に安定であるが、チオール含有生理的条件下で一酸化窒素(NO)を効率よく放出することが判明した。それ故、(2)の気管支血管拡張作用は生体内で発生するNO由来と解釈できた。NOは、生体内で重要な役割を果たしている。しかし、それ自身は非常に不安定な気体であるため、その供与体の開発が注目されている。(2)は、誘導体合成が簡単であり、特定条件下でNOを発生することから、非常に便利なNO供与体となり得るので、その応用が期待できる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 酒向孫市: "Synthesis and DNA Photo-cleaving Activity of Novel Heterocyclic N-oxide-acridiue Hybrid Molecules" Heterocycles. 42. 31-34 (1996)
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[Publications] 酒向孫市: "^<15>N-標識ヌクレオシドの合成" 有機合成化学協会誌. 54. 68-75 (1996)