1996 Fiscal Year Annual Research Report
シデロホア構造を分子内に有する緑膿菌選択性β-ラクタム剤の開発研究
Project/Area Number |
08672572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
三野 芳紀 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (60125119)
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Keywords | シデロホア / 緑膿菌 / β-ラクタム剤 |
Research Abstract |
Pseudomonas fluorescens由来の主シデロホアであるpyoverdin Pf3/8/2の大量分取法を確立した。即ち、培養液上清にFe^<3+>を加え、鉄錯体に変換したのち、XADカラム、逆相クロマト、イオン交換クロマトで順次精製を行なうことで、効率よく主シデロホアの単離・精製が可能となった。また、基準培地のうち3種の無機元素(Mg,Ca,Zn)を低濃度に調整した培地で培養すると、基準培地では産生されなかった紫色シデロホアが産生されることが明らかになった。各種スペクトルデータの解析から、この化合物は、pyoverdin Pf3/8/2に代表される一般的な蛍光クロモホアではなく、その一部の二重結合が飽和された新規なクロモホアを有することが明らかになった。また、これらのシデロホアを原料として酸加水分解などの処理を行い、Pseudomonasシデロホアの部分構造をもつ断片の単離・精製を現在検討している。 平成9年度は、これらの化合物(主シデロホア,紫色シデロホア並びにその加水分解・断片など)を確保し、β-ラクタム誘導体との連結体の合成を予定している。
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