1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672588
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
沖 壽子 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50274585)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 満 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50175634)
橋本 恵美子 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30249627)
松山 敏剛 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50038767)
|
Keywords | 費用便益 / 子宮頚がん / 集団検診 / 医療費 |
Research Abstract |
本研究は子宮頚がんの集団検診に要する費用と、検診により節約される医療費を比較することにより社会的に見た子宮頚がん検診の経済効率を調査検討するものである。 1.一人当たりの平均医療費(佐賀医科大学附属病院・佐賀県立病院好生館、平成6年度から平成8年度に入院):検診受診群は、単純計算すると1,196,228円になり、非検診群は、2,337,395.8円になる。単純計算で1,141,167.8円節約されたことになる。 2.集団検診の費用:対象は平成6年度子宮頚がん受診者(佐賀中部保健所管内2市13町3村)17,633名(25.8%)、要精密検診者127名(0.7%)、精密検診受診者114名(89.8%)、子宮頚がん確定診断者19名(0.12%)、異形成44名(0.25%)である。集団検診の費用は46,661,985円で、精密検査の費用を健康保険点数で概算(17,000円)で1,938,000円となり、集検費用と精検費用を合算すると48,599,985円となり、子宮頚がん1名発見に要した費用は2,557,894円となる。 3.集団検診を実施しなかったと仮定すると、発見がん患者19名と異形成44名中2割の9名がさらに進行したがんで発見されると予想される。この28名を佐賀医大非検診群進行期分類の患者割合に従い分類すると、0期(13.3%)4名、Ia期(8.2%)2名、Ib期(32.2%)9名、II期(25.8%)7名、III期(15.5%)4名、IV期(7.2%)2名となる。これらに予想される医療費を上記1の非検診群の費用を基準に算出すると64,383,085円である。実際に要した費用は、集団検診費用48,599,985円と19名のがん患者の医療費11,653,182円(佐賀医大集検群より推定)および44名の異形成者医療費2,239,600(社会保険診療報酬より推定)の合計62,492,767円であり、検診群が1,890,317円節約されたことになる。検診によりがんの早期発見もなされ、QOLの面からも検診は有効と言える。
|