1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルスI型の活性化に関与する宿主因子のクローニング及びその解析
Project/Area Number |
08672595
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
阿部 健司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (60211702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 興太郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40000971)
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Keywords | HIV-1 / 宿主因子 / TAR-RNA |
Research Abstract |
HIV-1の活性化に関与する宿主因子の同定を目指して、TAR-RNAとの結合で現在までに得られた7クローンのうち2クローンについてfull-length cDNAの塩基配列を決定し、一部、その解析を行った。 1.クローン27(JTR27)については、以下のことが明らかとなった。 (1)349個のアミノ酸からなる蛋白質をコードし、酵母の35.1kDa蛋白質のホモローグである。 (2)第1番染色体上にマップされた。 (3)転写開始領域は、高度にメチル化されているゲノムDNAとしてデータベースに登録されているが、transientなassay系では、COS細胞でプロモーター活性を示した。Anti-sense transcriptsの発現によるgene regulationも示唆された。 (4)Native proteinを過剰発現させると、HIV-1 LTRからのbasal trascriptionを80%程度、Tat-activationを30%程度、それぞれ上昇させた。 (5)Tatのactivation domainとJTR27のbasic regionとの間で作成したfusion proteinを細胞内で発現させた結果、JTR27はbasic regionでTAR-RNAのstemに結合する可能性が示唆された。 (6)インフルエンザウイルスのHAを用いたtagged proteinを細胞内で発現させると、核内に局在した。 2.クローン15(JTR15)については、以下のことが明らかとなった。 (1)278個のアミノ酸からなる蛋白質をコードしている。N-末端にsignal peptideが存在することから、分泌型の蛋白質であることが示唆された。 (2)第6番染色体上にマップされた。 (3)Fusion proteinを細胞内で発現させた結果、JTR15はbasic regionでbulgeを含む領域に結合することが示唆された。
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