1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト免疫不全ウイルスI型の活性化に関与する宿主因子のクローニング及びその解析
Project/Area Number |
08672595
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
阿部 健司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (60211702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 興太郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (40000971)
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Keywords | HIV-1 / 宿主因子 / TAR-RNA |
Research Abstract |
HIV-1の活性化に関与する宿主因子の同定を目指して、TAR-RNAとの結合で現在までに得られた7クローンのうち2クローンについてfull-length cDNAの塩基配列を決定し、一部、その解析を行った。 1.クローン27(JTR27)については、以下のことが明らかとなった。 (1)349個のアミノ酸からなる蛋白質をコードし、酵母の35.1kDa蛋白質のホモローグである。 (2)第1番染色体上のp21にマップされた。 (3)JTR27遺伝子の上流領域に、COS細胞でプロモーター活性が見られたが、Tatを過剰発現させると、その活性が顕著に低下した。 (4)アンチセンスオリゴヌクレオチドで処理すると、塩基配列特異的にTat存在下、あるいは非存在下でHIV-1LTRからの遺伝子発現が抑えられた。TNF-αによるHIV-1LTRの活性化をも抑制した。 (5)His-tagを付加したNative proteinをCOS細胞に導入すると、その遺伝子産物は核内、特に核小体に局在することが判明した。 (6)細胞内で遺伝子産物を過剰発現させると、Tat存在下、あるいは非存在下でHIV-1LTRからの遺伝子発現が増強された。 2.クローン15(JTR15)については、以下のことが明らかとなった。 (1)278個のアミノ酸からなる蛋白質をコードしている。N-末端にsignal peptideが存在することから、分泌型の蛋白質であることが示唆された。 (2)第6番染色体上にマップされた。 (3)Fusion proteinを細胞内で発現させた結果、JTR15はbasic regionでbulgeを含む領域に結合することが示唆された。
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