1996 Fiscal Year Annual Research Report
Xist YACトランスジェニックマウスにおけるX不活性開始の分子機構
Project/Area Number |
08672597
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (90274133)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 賢志 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (80124577)
|
Keywords | Xist / transgenic mouse / microinjection |
Research Abstract |
哺乳類X染色体の不活性は、雌に存在する二本のX染色体のうち一本が発生初期に転写上の不活性化を受ける現象であり、XX雌とXY雄のX染色体連鎖遺伝子の遺伝子量補正の役割をになっている。X染色体上にはX不活性化中心という座位が知られている。最近、X不活性化中心にマップされるXist遺伝子が、X不活化の開始に直接関与していることがノックアウトマウスを用いた実験から示された。我々はXist遺伝子とXic,X不活化との関係を詳細に解明するため、2系統のXist YACトランスジェニックマウス(Tg04マウス、Tg15マウス)を作製した。そのうちXist遺伝子を含む350kbのYACクローンがY染色体に挿入されたトランスジェニックマウスでは雄にも関わらずXistが雌と同レベルにXistトランスジーンから発現されていた。トランスジェニックマウス作製に用いた350kb Xist YACは、微小注入する前にそのright armに、Pgk-1プロモーターに連結したβ-gal遺伝子をあらかじめ相同組換えで導入しておいたので、このマウスの各々の発生段階の雄胎児をX-galで染色することで、Xistトランスジーンと染色体不活化の関係を解析した。 Tg15を交配して得られた受精卵をX-gal染色したところ、2〜4細胞期ではじめて染色が確認され、桑実胚期でLacZの染色の程度は最大となり、その後、後期胚盤胞期では再びLacZ陰性となることがわかった。この結果はXistトランスジーンがβ-gal遺伝子を不活性化していることを示唆するものと思われるが、今後、別の系統のトランスジェニックマウスで結果に再現性があるかどうかを確認したい。
|
Research Products
(1 results)