1996 Fiscal Year Annual Research Report
薬物間相互作用の予測に関する研究:漢方薬との相互作用を中心として
Project/Area Number |
08672603
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大森 栄 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70169069)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 伊都子 千葉大学, 薬学部, 助手 (00202929)
北田 光一 千葉大学, 医学部・附属病院, 教授 (90110345)
|
Keywords | チトクロムP450 / 薬物代謝 / 相互作用 / 漢方薬 |
Research Abstract |
本研究は、現在用いられている漢方薬と西洋医薬品との間の薬物代謝過程における相互作用発現の可能性を明らかにすることを目的として研究を行ない、現在までに以下の成果を得ている。 (1)漢方薬と西洋医薬品との間で相互作用を示すか否かについて、肝ミクロゾーム(Ms)を用いたin vitroの系での検討:ラット肝Msを用い、現在臨床に用いられている漢方エキス顆粒製剤120種についてその阻害作用の有無を、アミノピリンならびにエリスロマシンを基質として用いて検討した結果、薬物代謝酵素阻害作用がその100種以上の漢方薬で認められた。この結果は、薬物代謝過程における薬物相互作用の可能性を強く示唆するものである。 (2)(1)で得られた結果を基に、阻害作用を示す生薬を明らかにする方向で検討を行った。その第一段階として、小青竜湯と大黄甘草湯をまず検討対象漢方薬として選択し、その中で桂皮、麻黄、大黄に極めて強い阻害作用があることを確認した(第12回日本薬物動態学会にて発表、日本薬学会第117年会にて発表予定)。現在、桂皮、麻黄、大黄中の阻害成分の単離・同定を試みている。 (3)羌活の主成分の一つであるノトプテロールについては、今年度その代謝体の同定に着手した。現在、フェノバルビタールを投与したラット肝Msを用いてその代謝物を生成させ単離・生成を遂行中である。その分離方法は確立しているがスケールアップに問題が生じ、スモ-ルスケールで単離を行わざるを得ない状態である。予試験では基本骨格のプロクマリン部分に変化はみられていない。
|