1996 Fiscal Year Annual Research Report
癌組織への免疫担当細胞の浸潤と全身性免疫能獲得に及ぼすケモカイン遺伝子導入の効果
Project/Area Number |
08672605
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中島 恵美 金沢大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90115254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 藤雄 金沢大学, 医学部・附属病院, 教授 (40143911)
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Keywords | サイトカイン / 遺伝子導入 / 腫瘍免疫 |
Research Abstract |
腫瘍免疫の成立には、宿主免疫担当細胞が癌細胞を特異的に認識するステップが必要である。βケモカインに属するMIP-1αは炎症組織から産生され、T細胞、B細胞に対する走化活性化作用、マクロファージの抗腫瘍活性化作用、サイトカインの産生増強作用を有する。本研究では癌細胞にhuMIP-1α遺伝子を導入して、癌細胞に対する宿主免疫担当細胞の走化性を増強させ、抗腫瘍効果や免疫獲得能への効果増強を期待した。 免疫系の正常なBALB/cマウスとそれに移植できるcolon26結腸癌細胞を選択して、huMIP-1α遺伝子導入の効果を検討した結果、以下のようないくつかの新知見が得られた。huMIP-1α遺伝子導入癌細胞のin vitroにおける増殖度は非導入株(親株)やコントロールベクター導入株と差はなかった。しかし、マウスに移植後のhuMIP-1α遺伝子導入癌細胞の増殖度は抑制されており、更にマウスの腫瘍拒絶率は高かった。また、同時に肺転移の抑制効果も見られたが、癌悪液質の改善については無効であった。腫瘍を拒絶したマウスについては、更に親株の移植を行ったところ、全例で腫瘍の増殖は認められず、この癌細胞に対する免疫力を獲得していることが示唆された。 更に、我々は、この免疫力獲得機構を明らかにするため、T細胞とB細胞を欠損した免疫不全マウス(SCIDマウス)を用いた検討も行った。SCIDマウスを用いた検討では、huMIP-1α遺伝子導入による抗腫瘍効果は見られず、免疫力獲得にT細胞とB細胞が関与していることが示された。 以上、本研究では癌の生育や腫瘍免疫獲得におけるhuMIP-1αの影響を遺伝子導入癌細胞を使用して検討し、腫瘍ワクチンの実用化の可能性を示しすことができた。
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Research Products
(1 results)