1996 Fiscal Year Annual Research Report
肺培養上皮細胞系を用いた生理活性ペプチドの透過性の評価
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08672629
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 昌 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (00166779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 卓也 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (00247785)
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Keywords | 生理活性ペプチド / 経肺吸収 / 培養細胞 / インスリン / 膜抵抗 / 吸収促進剤 / タンパク分解酵素阻害剤 |
Research Abstract |
本研究で得られた知見を以下に挙げる。 A-549細胞単層培養シートにおけるインスリンの透過性は、カルシトニンに比べ有意な差は認められなかったが、透過実験中におけるインスリンの分解は、カルシトニンに比べ少ないことが認められた。そこで、A-549細胞ホモジネート中におけるペプチドの安定性実験を行ったところ、カルシトニンはインスリンに比べ速やかに分解されることが明らかとなった。また、両ペプチドとも細胞膜画分よりも細胞質画分で速やかに分解することが明らかとなった。 一方、ラット肺胞上皮細胞膜(Rat alveolar epithelial cell monolayers,RAEM)は、培養3日目以降非常にtightなmonolayerを形成することが、各種電気生理学的パラメータ及び顕微鏡観察などにより確認された。また、各種分子量を有するfluorescein isothiocyanate-labeled dextrans(FDs)を選択し、RAEMにおけるこれら高分子薬物の透過性を検討した結果、その分子径と見かけの透過係数の間には良好な関係がみられた。また、インスリンの透過性は、ほぼ同じ分子量を有するFD-4と同様の透過性を示した。一方、A-549細胞単層培養シートにおいてインスリンは分解することが認められたが、RAEMでは同濃度のインスリンの分解は認められなかった。 こうした知見は、臨床上、生理活性ペプチドの経肺投与後の吸収性を改善する上で有用な基礎的情報を提供するものと思われる。
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