1996 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導量子干渉計を用いた生体磁気、特に心臓磁界および胃磁界の測定
Project/Area Number |
08672643
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
野村 昌弘 徳島大学, 医学部, 助手 (00243684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西絛 哲也 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00253196)
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Keywords | 心臓磁界 / 胃磁界 / 高温超伝導量子干渉計 / 磁気シールドルーム |
Research Abstract |
今回の検討においては、超伝導センサ研究所により新たに開発された液体窒素による16チャンネル磁束計を用いて、心磁界および胃磁界の検出を試みた。磁界の検出に際しては、磁気ノズルの影響を避けるために、磁気シールドルーム内での測定が必須である。われわれは、人体を覆うだけの小型のパ-マロイ製簡易磁気シールド室(内径0.8m×0.8m×1.9m)を作成して磁界計測をおこなった。16チャンネルのセンサからの信号をコンピュータにA/D変換して、磁界分布図を作成できるソフトを開発した。 心磁界測定は、従来の液体ヘリウムを用いた磁束計で得られた波形と同様な、P波、QRS波、T波を明瞭に記録可能であり、今後、心磁界の信号源の推定が可能であるか検討を進める予定である。。 胃磁界は、磁気バックグラウンド・ノイズと同じかそれ以下の磁気信号レベルであり、磁気トレーサーを使用しなければ、測定できなかった。本研究では、磁気トレーサーとして磁化させた直径1.3mmの鉄球を12Fの胃管の先端に固定し、胃内に挿入して胃運動によって生じる磁界を測定した。測定した磁気信号の周波数解析を、スペクトル・アナライザーを用いて行った。胃磁界の測定を、空腹期・摂食期のおのおのについておこない、磁気信号のスペクトルの周波数の磁場振幅を測定した。空腹期・摂食期ともに3サイクル/分のリズムであり、食事による周波数の差はみられなかった。しかし、磁場振幅は、空腹期に比して摂食後には2倍以上となった。今回の検討では、機械的な胃運動そのものを検出でき、今後各種の消化器運動異常のメカニズム解明および治療効果の判定等、臨床応用が期待できる。
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