1996 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養高齢者家族の介護負担と介護破綻予防に関する研究
Project/Area Number |
08672660
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々木 明子 山形大学, 医学部, 講師 (20167430)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 晶子 (富田 晶子) 山形大学, 医学部, 助手 (00272063)
鈴木 育子 山形大学, 医学部, 助手 (20261703)
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 助手 (30272074)
山田 晧子 山形大学, 医学部, 助教授 (00261678)
高崎 絹子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50100607)
|
Keywords | 在宅療養高齢者 / 介護負担 / 介護破綻予防 / 精神的負担 / 身体的負担 / 経済的負担 / 介護負担尺度 / 犠牲感 |
Research Abstract |
在宅療養高齢者家族の介護負担とその関連要因を把握し、介護破綻を早期に予知し、予防するための方法を明らかにするため、山形市内のA老人保健施設のデイケアを利用している高齢者の主介護者223人を対象に、自記式留め置き法による質問紙調査を行った。調査期間は、平成8年11月21日から12月7日である。回収数は183人で、回収率81.6%であった。このうち、有効回答は、155人であり、有効回答率は、84.6%であった。 1.在宅療養高齢者の平均年齢は、80.7歳、性別は、男性34.2%、女性65.8%であった。寝たきり度は、ランクAが45.2%で最も多く、ついで自立が23.9%、ランクBが13.2%の順であった。痴呆性老人の自立度は、痴呆なしが29.7%であり、ついでランクIが27.1%、ランクII-bが18.7%の順であった。介護者の平均年齢は、56.7歳、続柄は、嫁38.1%、娘22.6%、妻16.8%であり、男女比は、2:8であった。 2.平均介護期間は、4.1年で、一日の総介護時間の平均は9.9時間であった。 3.介護負担は83.9%にみられ、その内容は、身体的負担43.4%、経済的負担15.4%、精神的負担93.4%である。 4.介護負担の内容をZaritらの22項目の尺度に5項目を加えた27項目、5段階で把握した結果、「高齢者とかかわり腹が立つ」「高齢者の今後のことが心配」「高齢者は、自分の頼り、自分が世話をするのを望んでいる」という項目は、8割以上が感じていた。介護負担尺度内容をデイケア前後で比較したところ、デイケアにより負担度が軽減していた者が多く、介護者の介護負担の軽減にデイケアが有効であることが明らかになった。 5.介護により犠牲感を5割以上が感じており、これらと高齢者の移動などADLに関する問題、コミュニケーションの低下、「被害的なことを言う」などの精神症状及び介護家族の生活への制約と経済的負担が関連していた。
|