1997 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養高齢者家族の介護負担と介護破綻予防に関する研究
Project/Area Number |
08672660
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐々木 明子 山形大学, 医学部, 助教授 (20167430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高崎 絹子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (50100607)
桂 晶子 山形大学, 医学部, 助手 (00272063)
山田 晧子 山形大学, 医学部, 助教授 (00261678)
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Keywords | 在宅療養高齢者 / 介護者 / 介護負担 / 介護破綻予防 / 介護負担尺度 / 肯定的介護体験 / 介護継続意思 / 人間関係 |
Research Abstract |
在宅療養高齢者家族の介護意識と体験の肯定的及び否定的側面とその関連要因を把握し、介護破綻を早期に予知し、予防する方法を明らかにするため、山形県内のs市内のデイサービスを利用している高齢者の主介護者180人を対象に、自記式留め置き法による質問紙調査を行った。調査期間は、平成9年9月から11月である。回収数は152人(回収率84.4%)であった。このうち、有効回答は、111人であり、有効回答率は、73.0%であった。 1.在宅療養高齢者の平均年齢は、81.3歳、性別は、男性29.7%、女性70.3%であった。寝たきり度は、ランクAが42.3%で最も多く、ついでランクCが16.2%であり、痴呆性老人の日常生活自立度は、痴呆なしが35.1%であり、ついでランクIが20.0%であった。介護者の平均年齢は、58.2歳、続柄は、嫁34.2%、妻20.7%の順であり女性が約8割を占めた。 2.平均介護年数は5.0年であり、1日の平均介護時間は7.9時間であった。 3.介護負担感は84.7%にみられ、身体的負担44.1%、精神的負担74.8%の順であった。 4.介護負担感をZaritらの22項目の総得点でとらえ、関連する要因をみると、高齢者側の要因は、介護レベル、痴呆症状、異常精神症状、寝たきり度と、性格の変化であった。 介護者側の要因は、介護者年齢(65歳以上)、1日の総介護時間(12時間以上)、睡眠の中断、介護者の健康状態、介護者職業(無職)、高齢者と介護者との人間関係であった。 デイサービスに加え、他のサービスを兼用している者の方が、介護負担感が少なく、サービスの兼用は、介護者の介護負担の軽減に有効であることが明らかになった。 5.肯定的介護体験は、85.4%にみられ、肯定的介護体験と高齢者のADLに関する介助レベル、現在の高齢者と介護者との人間関係、介護に関する家族・身内からの余計な助言の有無と関連がみられた。肯定的介助体験のある者は、在宅介護継続意思が有意に高かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 佐々木明子: "在宅療養高齢者家族の介護負担について-デイケア利用前後の比較-" 日本公衆衛生雑誌. 44・10. 1036 (1997)
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[Publications] 山田晧子: "在宅療養高齢者の家族の犠牲感の検討" 日本公衆衛生雑誌. 44・10. 1035 (1997)
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[Publications] 佐々木明子: "在宅療養高齢者家族の介護に関する肯定的体験" 第2回日本在宅ケア学会講演集. 76-77 (1998)
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[Publications] 河本亜希子: "在宅療養高齢者の介護者と高齢者、家族・身内との人間関係に関連する要因の検討" 第24回山形県公衆衛生学会講演集. 43-44 (1998)