1998 Fiscal Year Annual Research Report
リスク児(者)のresilienceとサポート・システムに関する研究
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08672670
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上田 礼子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80010015)
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Keywords | リスク児(者) / 強靭性 / 縦断的研究 / 成人初期 / 自覚的健康状態 / 自己概念 / 中年期の親 / 子育て評価(両親による) |
Research Abstract |
筆者は日本の高度経済成長期に東京都の一定地域に出生した乳児とその親を対象として生後3カ月時点から長期縦断的研究を実施してきた。本研究の目的はこれらの被検児を対象としてかれらが成人初期に達した時点において発達の様相・健康状態・ライフスタイルと関与する諸変数を横断的および縦断的に検討し、リスク児・者へのサポート・システムの戦略構築に資することであった。方法は、第1次調査として質問紙法、第2次調査として訪問による面接法を用い、次のような成果が得られた。 結果と考察:(1)第1次調査によって成人初期の子ども201名、母親170名、父親168名から回答を得た。一般に健康状態良好と想定されるこの時期に生涯発達の観点からリスクのある不健康群が約20%あった。これらのリスク者をスクリーニングする方法(3領域10項目)を考案し、第2次調査の訪問面接法によってこの方法の有効性が確認された。(2)成人初期の子どもをもつ中年期の父母を対象として子育て評価尺度Appraisal of Child Rearing(略称ACR)を考案し、それぞれの自己概念、健康状態との関係を検討した。その結果、父母ともに自己概念の高い群はともに低い群に比較してかれらの健康状態は良好であり、ACR得点とも関連があった。すなわち、子育ては母親のみの役割ではなく父親の参加が必須であり、父親の健康状態にも関連することが明らかになった。(3)父母が乳児期から成人初期まで子育てに利用した資源を調査した結果、長期追跡群と非追跡群の間で子育て支援の潜在的ニーズに違いのあることが明らかになった。 これらの結果は子ども発達によって生じる発達的問題developmental problemsを早期に見つけ、支援に結び付けるprimary interventionの戦略が必須であることを示唆していた。また、子育てを親の生涯発達の視点からとらえる必要性も示唆している。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 上田礼子・宮澤純子: "成人初期の健康状態とそれに関連する変数" 母性衛生. 40(1). 1-7 (1999)
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[Publications] 小室佳文・上田礼子: "青年後期女子の体型とそれに関連する要因" 母性衛生. 40(4)(印刷中). (1999)
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[Publications] Ueda Reiko: "New Models Health and Diseases" J.of Medical and Dental Sciences. (印刷中). (1999)
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[Publications] 宮澤純子・上田礼子: "子育てにおける人的資源に関するイメージ" 茨城県母性衛生学会誌. 18. 60-64 (1998)
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[Publications] Ueda Reiko: "The Self-perception and Risk Variables in Young Adulthood" Abstract fo the XVI World Conference on Health Proruotion and Education. 136-137 (1998)
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[Publications] 前田和子、上田礼子: "青少年の自覚的身体症状と行動上の問題" 民俗衛生. 63. 74-83 (1997)
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[Publications] 上田礼子: "Dynamics of Human Development" Taga Shuppan, 1-204 (1996)
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[Publications] 上田礼子: "発達のダイナミックスと地域性" ミネルヴァ書房, 1-221 (1998)