1997 Fiscal Year Annual Research Report
ターミナルケアにおける患者-看護婦関係促進のための実践的知識の研究
Project/Area Number |
08672680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 正子 広島大学, 医学部, 教授 (10149180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩波 由美子 広島大学, 医学部, 助手 (30284178)
植田 喜久子 広島大学, 医学部, 講師 (40253067)
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Keywords | 緩和ケア / 患者-看護婦(士)関係 / 困難感 / 喜び感 / 自己学習 / 死の看取り / エンカウンター・グループ |
Research Abstract |
1.全国25の認可緩和ケア病棟に勤務する看護婦対象に実施したアンケート調査の解析結果を、2つのテーマで「第21回日本死の臨床研究会」に報告した。 1)緩和ケア病棟の看護婦(士)の学習状況の関する報告 緩和ケア病棟の看護婦(士)の約70%は、自己を高める自己学習をしている。自己学習者の特徴から、看護婦像を見た。自己学習者は希望責任者が多く(p<.01)、研究発表を行っている(p<.01)。94%が社会から注目されていると答え、職場内外の人たちとの連帯感を感じている(p<.01)。また、死の看取りを「いやだ」と回答する率が非自己学習者に比し低い等、緩和ケア病棟看護婦(士)の自己学習との関連が示された。 2)緩和ケア病棟に勤務する看護婦(士)が患者との関係で遭遇する喜びと困難感の構造自由回答として得た「喜び」もしくは「困難」を感じた各々のできごととしての記載事例を分析した。「喜び」と「困難」の内容はパラレルであり、自己存在肯定感(否定感)と役割行動肯定感(否定感)に2分される6項目を得た。(1)かかわりを通して直接伝わってくる肯定的反応から、自己の存在自体への肯定感を感じるとき、(2)患者、家族の生き方や愛の姿に感動するとき、(3)生きがいのある時間を実現できるとき、(4)症状緩和と安らかな死を実現できるとき、(5)家族関係の調整と別れの仕事への手伝いができるとき、(6)喜びや感謝の気持ちが伝えられて、緩和ケア病棟としの機能が果たせたと感じるときの6内容である。これらの内容と基礎的事項や他の要素との関連は、さらに解析中である。 2.緩和ケア病棟に勤務する看護婦のための『スタッフケアとしてのエンカウンター・グループ』を、3日間通いで実施した。参加者は7名であり、全員がこの参加経験を極めて肯定的に受け止める反応を示した。スタッフケアとしての有効性を示唆した。
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