1996 Fiscal Year Annual Research Report
在宅で呼吸障害をもつ人々の食べる楽しみに着目した栄養指導に関する研究
Project/Area Number |
08672685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
小西 恵美子 長野県看護大学, 生活援助学教室, 教授 (70011054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅原 きよみ 長野県看護大学, 基礎看護学教室, 助教授
鈴木 真理子 長野県看護大学, 基礎看護学教室, 助手 (10281255)
征矢野 あや子 長野県看護大学, 生活援助学教室, 助手 (20281256)
太田 勝正 長野県看護大学, 基礎看護学教室, 助教授 (60194156)
大久保 いく子 長野県看護大学, 生活援助学教室, 助手
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Keywords | 在宅酸素療法 / 食生活 |
Research Abstract |
慢性呼吸障害をもつ人は、食事摂取の動作による呼吸困難の増悪、個人の嗜好や味覚よりも栄養が優先されるなどにより、食べる楽しみが損なわれやすい。今回、私たちは、長野県内の2病院で在宅酸素療法(HOT)を受けている患者のうち、外来、もしくは電話で調査の承諾の得られた患者を対象とし、輸送法による質問紙調査、および半構成的質問紙面接調査を行った、主な質問事項は、治療状況、食生活を中心とする日常生活の状況および問題点などである。 平成9年3月現在までに42名の回答があり、このうち30名については、面接調査を併せて行っている。平均年齢は70.6才。男性32名、女性10名である。診断名は、肺気腫が20名と最も多く、約半数を占めた。HOT期間は、平均3.2年で、最短3ヶ月、最長14年であった。Hugh-Jonesの分類では、面接した30名のうち15名がIII度、9名がIV度、5名がV度であった。食生活にかかわる結果の一部を以下に示す。食事は家族と一緒にするが32名でもっとも多く、一人で食事をするは5名であった。食事の献立は、32名が家族と同じものを食べ、9名は家族と別献立となるときがあると答えた。23名が、食品や献立を追加したり、健康食品を利用していると答えた。食べにくい・食べたくない品目があると答えた対象者は27名であった。むせたり、咳により食事を中断したことがあるのは9名であった。また、17名が、食事中の呼吸苦を経験していると答え、そのために食事を中断したことがあるのは9名であった。食後の呼吸苦を経験しているのは21名であった。この他、口内炎などによる疼痛、義歯の不具合なども示された。 以上、HOTの患者には医学、栄養学的な問題や制限ばかりでなく、食生活全般にかかわる問題があることが示された。今後、個々の患者に応じた具体的な援助方策について検討していく予定である。
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