1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672692
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
井上 郁 高知女子大学, 家政学部, 教授 (60176419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮上 多加子 高知女子大学, 保育短期大学部, 助教授 (90259656)
時長 美希 高知女子大学, 家政学部, 助教授 (00163965)
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Keywords | 高齢者 / 家族介護 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
2年計画の研究のうち、本年度は、日本の家族介護状況をアセスメントでするための測定用具を使って、長期ケアの必要な慢性疾患を持った高齢者の家族介護状況を把握することを目的に研究を行った。この研究の対象者として、早期にはほとんど介護を必要としないが、経時的に障害が進行し、介護量が増加するという特徴のあるパーキンソン病をもつ在宅の高齢者の家族介護者を選択した。 まず、本研究の研究代表者が、アメリカで開発された介護状況の測定用具を基にして開発した「日本語版家族介護質問紙」を基に、パーキンソン病の患者の介護状況に合わせて修正した質問紙を作成した。調査対象者は、保健婦及びパーキンソン病友の会の協力を得て紹介を受け、個々に自由意志での研究への参加協力を依頼した。合計134名の対象者に調査票を送付し、現在54部が返送され、調査票の返送は続いている。現在までの結果を要約すると、被介護者であるパーキンソン病の患者は、平均年齢68.6歳で、男性が約7割を占めていた。約3割がパーキンソン病の診断を受けてから5年以内であったが、最長25年という人もおり、平均9.4年であった。日常生活に全く介助を必要としない人は1割足らずで、ほとんどの人が何らかの介助を必要としており、日常生活全てに介助を要する人も約14%いた。また、パーキンソン病以外の疾患の診断を受けている者が約3分の2を占めていたことは、介護状況を複雑にしているのではないかと考えられる。介護者の8割が女性であったことは、他の先行研究の結果と類似しているが、全体の約64%が妻、18%が夫と、その8割以上を配偶者が占めていたことは、今回の対象者の特徴と言える。65歳以上の介護者が半数以上を占めていることを考え合わせると、高齢者が高齢者の介護をしているという状況が顕著であった。現在は、介護状況に関する結果を分析中である。
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