1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
高橋 真理 杏林大学, 保健学部, 助教授 (20216758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重光 貞彦 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20235526)
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Keywords | 妊婦 / 自律神経機能 / 胎児 / 自律訓練法 / イメージ誘導法 / 胎動 / 母子相互作用 / カラーストループワードテスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、1,妊娠後期妊婦の精神状態と胎児の反応との関連について、両者の自律神経系の関連と胎動との関係から検討する 2,妊婦の胎動に対する応答性診断のスケールを作成することである. 1,1)妊婦のrelaxationの母体心拍変動による評価 妊娠36〜41週の正常妊娠経過妊婦34名を対象に、外来でNST(non-stress test)実施時に、母体の心電図(CM5)と筋電図(前頭筋)の各電極を装着し,A/Dコンバータを通してパソコン上に記録した.なお対象妊婦には,約20分間の安静(before)後、自律訓練法(AT)とイメージ誘導法(IWG)による2種のリラックス法を教示した.得られた母体瞬時心拍数データは、FFT法等を用いて周波数解析を行った結果,before,AT,IMGと教示を進めていくと,低周波帯(LF)のパワーが減少し,高周波帯(HF)は漸増する傾向がみられた.また、リラックス教示前に比して教示後にHF領域にピークが出現する例が多数みられた.以上より,自律神経機能評価法である心拍数周波数解析により,妊婦のrelaxationの効果を客観的に捉えられる可能性が示唆された。 2)妊婦のストレス負荷の母体心拍変動による評価 (1)Stroop Color Word test(SCWT)の作成 集団式ストループテストを参考に,パソコン上に200枚のCWカード画面(あか、あお、みどり、きいろ)を別色で作成し、1枚づつできるだけ速く色名を回答するような課題を作成した. (2)FFT法による周波数解析 妊娠31〜40週の正常経過妊婦12名を対象に、安静後にSCWTを実施し、1と同様にFFT法による心拍数周波数解析を行った.その結果、SCWT時はLFnu領域は73.03【.+-。】17.04であり安静時40.16【.+-。】19.71より有意に増加しており(t値-5.44、df10、p<.001)、LF/HFnu領域も有意に増加していた(SCWT:5.35【.+-。】4.46、安静:1.45【.+-。】2.77.t値-2.71、df10,p<.03).一方HFnu領域はSCWT:23.99【.+-。】15.44、安静:57.43【.+-。】19.33で有意に減少していた(t値5.65、df10,p<.001).以上より、作成されたSCWTは妊婦の交感神経、副交感神経の両者に影響を及ぼすストレス負荷課題として有効な方法であることが示された. なお、relaxation並びにストレス負荷時における胎児心拍の解析と胎動に対する解析は現在検討中である. 2,胎動への応答性 妊娠8〜37週の初、経妊婦を対象に、質問紙により胎児イメージ、胎動時のイメージ、胎動時の妊婦の応答行動等を自由記載で求めた.現在は収集された192の記載内容の分類を進めている.今後は記載内容と面接調査の内容から胎動に対する妊婦の応答性に関する構成要素を検討し、調査用紙の作成を計画している.
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