1996 Fiscal Year Annual Research Report
小児気管支喘息児のセルフケアに関する個別指導法の開発
Project/Area Number |
08672704
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
田邉 惠子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教授 (80107797)
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Keywords | セルフケア / Health Locus of Control / 小児気管支喘息 / 健康価値 |
Research Abstract |
本研究代表者が作成した小児用Health Locus of Control尺度の改訂を行い,小学4年生から中学3年生までの655名に適用し,信頼性,妥当性を検討した。Health Locus of Control尺度の得点分布は正規曲線を示していた。3つの下位尺度のChronbachのα係数はそれぞれ,内的統制0.72,他者統制0.71,偶然・運命的統制0.78であり,信頼性が確かめられた。Health Locus of Control尺度と保健行動実行得点および保健行動自律性得点との相関係数を求めて検討した結果,内的統制と保健行動実行得点および保健行動自律性得点との相関係数が有意であった。つまり,健康を自分の努力で得られると思っている者は,保健行動を確実にかつ自律的に実行しているとみなされ,このことからHealth Locus of Control尺度の妥当性が示唆された。ついで,保健行動実行得点および保健行動自律性得点それぞれについて,Health Locus of Control尺度得点各群と健康価値順位各群とで2要因分散分析を行った。その結果,保健行動実行得点および自律性得点はともに,内的統制と健康価値順位の主効果が有意であった。つまり,Health Locus of Controlの内的統制の高い者,健康価値の高い者は保健行動を確実にかつ自律的に実行しているとみなされ,保健行動予測にはHealth Locus of Control尺度に加えて健康価値が有効であることが示唆された。セルフケア教育において,個々の患者に対して,個人の認知的傾向に適合的な指導方法を選択的に適用する際にこの2要因が有効であることが示唆された。 喘息児のセルフケア行動を査定し,セルフケア教育の効果の指標とするために,セルフケア行動調査用紙を作成し,小児気管支喘息児を対象に適用した。その結果,小児気管支喘息児のセルフケア行動の実態が把握でき,指標としての改善点が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)