1996 Fiscal Year Annual Research Report
舌切除に伴う摂食障害に関する研究-摂食の再学習に関するリハビリテーションプログラムの開発に向けて-
Project/Area Number |
08672706
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical School, School of Nursing |
Principal Investigator |
金子 昌子 自治医科大学看護短期大学, 講師 (70194909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 一之 自治医科大学, 医学部, 助手 (50233234)
神山 幸枝 自治医科大学看護短期大学, 講師 (60204632)
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Keywords | 舌切除 / 摂食 / 障害 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究は、舌切除に伴う摂食障害に対する、リハビリテーションプログラム試案の作成を目的とした研究で、本年度は基礎資料を得ることを目標に以下の研究を行った。第1研究では、舌切除術後障害とリハビリテーションに関する研究動向を把握するために、過去10年間の舌切除に関する文献研究を行った。その結果文献総数105件であり、構音に関する研究62.9%、嚥下に関する研究19.8%、咀嚼に関する研究8.6%であった。摂食(咀嚼・嚥下)に関する研究では、舌の切除範囲が大きく特に舌尖・舌根部を切除している。あるいは口腔底を合併切除し義歯の安定が得にくいケースでは、摂食障害が大きく、食事形態に何らかの工夫が必要である。なかでも舌亜全摘例では、食事形態の工夫に加え体位の検討が重要である。しかしcaseによっては摂食不可能なcaseもあることが明らかにされていた。研究方法は、case研究が14%を占めていた。同データをリハビリテーションの視点から再分析した結果は、機能回復については手術方式の検討や補綴処置など治療的アプローチが行われていた。しかし残存機能や代償機能を高めるリハビリテーション研究は存在しなかった。以上のことから舌切除後の障害やリハビリテーションアプローチは個別性が大きいことが考えられる。 第2調査では、研究対象を摂食障害の大きい舌亜全摘患者に特定し、術後経過と機能評価を目的に1caseについて予備調査を行った。栄養状態は、体重と栄養指標(Hb,T.P)の変化を見た。体重は術後6ケ月頃より著しく減少(術前体重-20Kg)し、ヘモグロビン8.0±1.0/T.P6.0±0.5と不良であった。口唇・頬部・顎部・舌の残存・代償機能は回復・発達がなく感覚障害も残存していた。舌運動の制限に加え、食事形態が流動であるため咀嚼筋が強化されないことが影響しているものと考えられる。 今後異なる舌亜全摘患者の術後経過と同様の機能評価を行い、リハビリテーションプログラム試案に向け、咀嚼に関する共通問題の抽出と強化要素を明らかにする必要が示唆された。
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Research Products
(1 results)