1997 Fiscal Year Annual Research Report
舌切除に伴う摂食障害関する研究 -摂食の再学習に関するリハビリテーションプログラムの開発に向けて-
Project/Area Number |
08672706
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Research Institution | IBARAKI Prefectural University of Health Ciences |
Principal Investigator |
金子 昌子 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (70194909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 幸枝 自治医科大学, 看護短期大学, 助教授 (60204632)
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Keywords | 舌癌 / 舌切除 / 摂食障害 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究は舌切除者の摂食障害に対するストレスコーピングと代償的アプローチの実態を明らかにし、舌切除後の摂食に関する再学習のためのリハビリテーションプログラム試案を作成・検討することを目的とした。 舌切除後2年から19年を経過した舌切除者10名の摂食の実態を調査した結果、以下のことが明らかになった。摂食メカニズムの過程では、捕食の段階では顔の挙上と食物を置く位置,用具の利用(ストロー)、咀嚼の過程では箸やスプーンによる食塊の移動と食物形態の工夫(ミキサ-食・刻み食・納豆や山芋などの食品の利用),送り込みと嚥下の過程では水分や汁物が用いられていた。送り込みと嚥下が最も困難なものにパン類と錠剤があった。また舌の広がりにより咀嚼障害が徐々に改善した人が2名いた。この2名の生活習慣にはカラオケなどの舌運動を活発に行う習慣があった。 ストレスコーピングは摂食障害に対して問題解決的コーピングを用いる人はストレス反応が低く、消極的感情調整コーピングを用いる人はストレス反応が高かった。 以上の結果、舌切除後の摂食の再学習を開始する段階で、舌切除者自身が自分に生じている問題を客観的に認識し解決する手段を試行できるような心理的支援を行う必要がある。さらに、舌切除者の摂食の再学習は特に食塊形成と送り込みに障害が残るため、残存舌の運動性を高めるリハビリテーションに加え、様々な代償的アプローチを取り入れ初期の摂食体験が失敗体験にならない支援プログラムが必要である。
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Research Products
(1 results)