1998 Fiscal Year Annual Research Report
「住民主体」のコミュニティ・ミーティングを用いた健康問題に関する解決過程の分析 -地域看護職の実施するリスク・アセスメントによる健康問題との比較を通して-
Project/Area Number |
08672707
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Research Institution | GUNMA PREFECTURAL COLLEGE OF HEALTH SCDIECES |
Principal Investigator |
河原 加代子 群馬県立医療短期大学, その他部局等, 講師 (30249172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 庄亮 群馬大学, 医学部, 教授 (40010011)
細谷 克子 群馬県立医療短期大学, 助手 (50289815)
春山 早苗 群馬県立医療短期大学, 講師 (00269325)
後閑 容子 群馬県立医療短期大学, 教授 (50258878)
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Keywords | コミュニティ・アセスメント / コミュニティ・ミーティング / 独居老人 |
Research Abstract |
研究目的1.第3回コミュニティ・ミーティングの実施 平成9年度実施の高齢者を対象とした第2回コミュニティ・ミーティングの結果の発表を7月に行った。その結果として、住民側から「健康問題」として血圧が気になるが、具体的な対処方法を自分の生活の中で実施することが難しいという声が多く聞かれた。そのため、第3回コミュニティ・ミーティング(11月)のテーマは血圧をとりあげて実施した。プログラムの内容は、血圧・体脂肪測定をはじめ、健診に関する情報の提供及び健診データの見方、血圧とは何かを模型や図を用いて説明したり、参加者全員が自分の心臓音を聴診する体験等を取り入れた。最後に塩分制限の試食会を行い、自由に意見や感想を述べあう機会を設けた。参加者は、25人(男性10人、女性23人)で平均年齢72.1歳であった。結果として、(1)コミュニティ単位の集団における情報提供が重要であること、(2)参加者の生活の中で具体的に工夫する方法を提示すること、(3)そのためには関連する人間のからだのしくみをわかりやすく納得できるような情報として提供することがより有効であることが示された。 研究目的2.独居老人を対象としたコミュニティ・アセスメントおよびコミュニティ・ミーティングの実施 コミュニティ・アセスメントとして実施した調査の対象者は、群馬県N町に在住する65歳以上の高齢者である。N町の協力を得て、独居世帯の高齢者86人、対照群として65歳以上の同居世帯の高齢者190名、合計276人より回答を得た(有効回答率60%)。対象者の平均年齢は75.5歳で、独居という生活形態による年齢の有意差はなかった。結果として、(1)対象者の健康状態:独居・同居に関わらず高血圧症が最も多かった。(2)生活習慣:食生活の面で独居老人は「糖分」摂取が対照群に比べて低かった。社会生活の面では「娯楽」の得点が対照群に比べて低く、反面「保守中庸」「共感性」が高かった。コミュニティ・ミーティングの一手法として訪問による面接調査を独居老人86人に実施した。結果として、アセスメントからは得られなかった「移動」手段がないことによる健康行動に限界があることが明らかになった。
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