1997 Fiscal Year Annual Research Report
人工哺育(EMA)ラットにおけるEGF、TGF-β長期投与の消化・吸収能への影響
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08680028
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
篠原 久枝 宮崎大学, 教育学部, 助教授 (40178885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水光 正仁 宮崎大学, 農学部, 教授 (00128357)
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Keywords | 人工哺育 / EMA(Evaporated Milk / Albumin) / EGF / 胃内停滞時間 |
Research Abstract |
今年度は昨年確立したEMA(Evaporated Milk/Albumin)によるラットの人工哺育法の再検討を行い、血清中EGFレベルの測定、膜消化酵素であるスクラーゼ活性、Poly-R478をマーカーとした胃内停滞時間ならびに腸管内移動速の測定、更にRT competitive-PCR法による腸管におけるEGF-mRNA測定についての検討を行った。 昨年度の結果より、今年度はEGF早期投与開始の影響を観察するために、人工哺育は生後4-8日目、生後8-12日目の期間とした。同一母ラットより生まれた仔ラット10匹を生後4日目あるいは8日目に、24時間人工哺育のための強制哺育手術を行ない、性、体重を考慮して2群に分け、一方をEMA-EGF(+)群、他方をEMA-EGF(-)群とした。EMA-EGF(+)群は、EMA中にラットEGF100ng/ml添加した。術後2時間後より電解質液を与え、術後4-5時間後に今年度はEMA投与開始時より、EMA-EGF(+)群とEMA-EGF(-)群とした。 仔ラットの体重増加、尾の長さ、目の開く時期、生存率に実験群と対照群で差は見られなかった。血清EGFレベルは、各実験期間において実験群と対照群で差はなかったが、実験期間別にみると、生後4-8日目期間に比べて生後8-12日目期間で有意に高い値を示した。成熟度の指標となるスクラーゼ活性は両群間で差は見られなかった。胃内停滞時間は、各実験期間において有意差は見られなかったものの、実験群の方が長くなる傾向を示した。 従って、食餌として供給されたEGFは血清レベルは一定に維持されるものの、母乳哺育ラットにおけるEGF皮下投与と同様に何らかの機序を介して、胃内停滞時間に影響することが推察された。しかしながら、EGF-mRNA測定結果については未だ明確な結果が得られず、更に検討を要する。
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