1996 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性筋・骨萎縮に及ぼす栄養及び内分泌の関与-エイジングとの関係
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08680044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
河野 節子 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (40024640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
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Keywords | 尾部懸垂 / ストレス関連ホルモン / ラット / 加齢 / 卵巣摘除 / エストロゲン / 大腿骨 / 抗重力筋 |
Research Abstract |
骨や筋は加齢と共に萎縮する。とりわけ女性における閉経後の骨萎縮はよく知られ、その治療法の確立が急がれている。ラット尾部懸垂実験は、廃用性筋・骨萎縮の実験モデルとして有用であるが、同時にストレス関連ホルモンの分泌を促進し、このホルモンが筋・骨の萎縮を増強する。本研究では、加齢により尾部懸垂時のストレス関連ホルモンが如何に変動するか(加齢実験)、また、卵巣摘除術をおこなったラットの尾部を懸垂し、女性ホルモンが尾部懸垂によってもたらされたストレス反応をどのように修飾するかを検討した。 【加齢実験】8週齢、12、18ケ月雌ウィスター系ラットを用い、ラットの尾部懸垂を行った。懸垂による後肢の抗重力筋の萎縮はすべての群で認めた。一方、大腿骨の湿重量はいずれの群でも変化がなく、若年雄ラットの懸垂で大腿骨が有意に萎縮したのと対照的であった。コルチコステロン(B)およびカテコラミンの尿中への排泄は加齢と共に増加し、懸垂時の排泄増加も若年ラットより著明であっった。 【卵巣摘除実験】5週齢ラットに卵巣摘除術を施し、エストロゲン(E_2)投与群と非投与群それぞれにつき尾部懸垂実験を行った。懸垂による大腿骨重量、骨Ca、Pi量の減少は卵巣摘除懸垂群でより著明であった。また、非懸垂群でのB排泄量はE_2投与群に比し卵巣摘除ラットで著明に減少したが、懸垂群ではE_2投与群と卵巣摘除群との差が縮小する傾向を認めた。懸垂によるエピネフリンの排泄は、卵巣摘除群でより著明に増加した。一方ノルエピネフリン排泄は懸垂の有無にかかわらず卵巣摘除群で増加した。 以上の結果より、ストレス関連ホルモンの分泌は加齢と共に増加し、懸垂時の増加は卵巣摘除でより著明となった。したがって、加齢およびE_2欠乏状態における骨萎縮にはストレス関連ホルモンが関与していることが示唆された。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 河野節子: "廃用性骨萎縮に及ぼす影響-ラット尾部懸垂モデルを用いた検討-" 名古屋大学環境医学研究所年報. 7-10 (1996)
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[Publications] 河野節子: "加齢とストレス反応" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47. 258-259 (1996)
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[Publications] 大森幸子: "尾部懸垂ラットにおけるデオキシピリジノリンの尿中排泄の変動-ビスフォスフォネートYH529の効果-" 名古屋大学環境医学研究所年報. 47. 3-6 (1996)
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[Publications] T.Miyazaki: "Molecular cloning of a novel thyroid hormone-responsive gene,ZAKI-4,in human skin fibroblasts." Journal of Biological Chemistry. 271(24). 14567-14571 (1996)
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[Publications] T.Miyazaki: "Molecular cloning of rat ZAKI-4 gene." Environmental Medicine. 40(1). 13-16 (1996)
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[Publications] RE.Weiss: "Dominant inheritance of resistance to thyroid hormone not linked to defects in the thyroid hormone receptors α or β genes may be due to a defective co-factor." Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 81(12). 4196-4203 (1996)
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[Publications] Y.Hayashi: "Molecular cloning of novel cDNAs containing CAG repeats by rapid amplification of 3′-CDA ends." Environmental Medicine. 40(1). 35-38 (1996)
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[Publications] S.Yamaguchi: "Hepatocytes cultured in monolayers have a lower responsiveness to thyroid hormone and retinoic acid than do hepatocytes cultured in spheroids: Possible role of retinoid X receptor." Environmental Medicine. 40(1). 47-50 (1996)
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[Publications] T.Miyazaki: "A novel mutation (E358K) in the α-galacatosidase A gene detected in a Japanese Family with Fabry disease." Human Mutation. 9(印刷中). (1996)