1998 Fiscal Year Annual Research Report
廃用性筋・骨萎縮に及ぼす栄養及び内分泌の関与-エイジングとの関係
Project/Area Number |
08680044
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Research Institution | College of Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
河野 節子 名古屋女子大学短期大学部, 教授 (40024640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (80174308)
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Keywords | ラット / 尾部懸垂 / 卵巣摘除 / エストロゲン / 大腿骨 / 抗重力筋 / デオキシピリジノリン / PTH |
Research Abstract |
骨粗鬆症が閉経後の女性に多く発症し、エストロゲンの補充により骨量の減少が防止されることから、エストロゲンは骨量の維持に重要な役割を果たしていると考えられる。しかしながら、エストロゲンが骨代謝にどのような役割を果たしているか、また骨代謝に影響を及ぼす他のホルモンや局所因子の作用をエストロゲンがどの様に修飾するかは明らかではない。そこで、本年度は、これまでの研究成果をもとに、骨代謝回転の活発な成長期(4-5週齢)雌ラットの卵巣を摘除後、2週間エストロゲンを補充した群(E2群)と非補充群(Ovx群)に最長7日間の尾部懸垂を負荷した。懸垂1、3、5、7日目にラットを屠殺して、後肢骨の重量、カルシュウム、リン含量、血中PTH、尿中デオキシピリジノリン排泄量を測定した。Ovx群の後肢骨重量は懸垂開始と共に減少し、3日目から有意に減少し(91%)、カルシュウム、リン含量も減少が認められた。しかしながらE2群では後肢骨重量の有意な変化は認められず、懸垂開始前を100%としたとき、懸垂3日目まで97%と変化が認められず、7日目でも93%と懸垂群の重量減少は抑制された。またこうした変化に対応して、尿中デオキシピリジノリン排泄量はOvx群で著明に増加し、E2群では変化が認められなかった。また血中PTHはOvx群で懸垂1、3日目に有意に減少したが、E2群では変化が認められなかった。以上の結果から、エストロゲンは骨吸収の抑制を介して尾部懸垂による後肢骨の萎縮を抑制することが示された。 【今後の展望】後肢大腿骨中の骨代謝に関与する遺伝子群の検討:骨吸収の指標である酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ、骨形成の指標であるアルカリフォスファターゼのmRNAの変化を検討する。骨基質の合成に関与するオステオカルシン、I型コラーゲン、骨基質の分解に作用するコラゲナーゼのmRNAを測定する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sachiko OHMORI,et al.,: "Changes in Urinary Excretion of Deoxypyridinoline in Tail-suspended Rats : Effect of a Bisphosphonate,YH529" Environmental Medicine. 42(1). 11-13 (1998)
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[Publications] Roy E.WEISS,et al.,: "Thyroid hormone Action on Liver,Heart,and Energy Expenditure in Thyroid Hormone Receptor β-Deficient Mice." Endocrinology. 139(12). 4945-4952 (1998)
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[Publications] Takashi NAGAYA,et al.,: "Intracellular proteolytic cleavage of 9-cis-retinoic acid receptor α by cathepsin L-type protease is a potential mechanism for modulating thyroid hormone action." The Journal of Biological Chemistry. 273(50). 33166-33173 (1998)
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[Publications] 河野節子他: "加齢がストレス反応に及ぼす影響-尾部懸垂雌ラットにおけるストレス関連ホルモンの変動-" 名古屋女子大学紀要 自然家政編. 45. 111-118 (1998)