1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性糖尿病マウスにおけるマグネシウム負荷食による子宮筋異常収縮の改善効果の検討
Project/Area Number |
08680050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
青峰 正裕 中村学園大学, 家政学部, 教授 (60091261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 千穂 中村学園大学, 家政学部, 助手 (80271435)
大和 孝子 中村学園大学, 家政学部, 助手 (70271434)
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Keywords | マグネシウム負荷 / 糖尿病 / 子宮筋 / マウス |
Research Abstract |
初年度はマグネシウムを負荷しない場合の基礎的データの蓄積に主眼を置いた。まず、健常マウスと糖尿病マウスを、マグネシウムを負荷しない食餌を与えた場合(N群)と、それにトレーニングを加えた場合(T群)、トレーニングに加えて食餌を制限した場合(TD群)に分け、それらの子宮筋のマグネシウムイオン感受性を調べた。健常マウスとしてC57/BL(以下C57)、自然発症型糖尿病マウスとしてKK/Ta(以下KK)を使用した。使用したマウスの週齢は50〜67週で、各群4〜7匹とした。トレーニングは1日3時間、12日間の回転かご式運動とし、食餌制限は平均摂取量の約半分量(C57:1.6g;KK:1.9g)とした。12日間のトレーニング終了後、その翌日子宮筋を摘出、筋標本(約1×5mm)の自発収縮を記録し、灌流液のマグネシウム濃度を正常液の1.1mMから2.2mM、5.5mM、11mM、22mMと増加してマグネシウムによる収縮抑制を各群で調べた。マグネシウムによる収縮抑制は振幅、頻度について調べ、各々についてIC50を求めた。N群では、振幅、頻度ともにマグネシウムにより2.2mMを除いて濃度依存性に抑制され、22mMでは30%以下にまで低下した。しかし、C57よりKKにおいては抑制の程度は小さかった。T群でも振幅、頻度ともにマグネシウムによる濃度依存性抑制が観察されたが、C57、KKともにIC50は高濃度側に移行した。TD群ではC57、KKともにIC50はさらに高濃度側に移行した。つまり、C57とKKにおいてN群よりT群、T群よりTD群で振幅、頻度ともにIC50は高濃度側に移行した。このIC50が高濃度側に移行することは、子宮筋のマグネシウムイオン感受性の低下を意味する。C57とKK両群ともにトレーニングのみより、食餌制限を加えることでIC50は高濃度側に移行し、その程度はC57よりKKの方が大であった。つまり糖尿病マウスの方が食餌制限の影響が大きいことが示された。 次年度はマグネシウムを負荷したマウスにおける子宮筋収縮に対してマグネシウムの抑制作用がどのように変化するかを検討する予定である。
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