1996 Fiscal Year Annual Research Report
ビフィズス菌がヒト腸内で付着する細胞膜糖鎖の解明とその応用
Project/Area Number |
08680062
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Research Institution | Kacho Junior College |
Principal Investigator |
門脇 節 華頂短期大学, 生活学科, 教授 (00085961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 憲二 京都大学, 農学部・食品工学科, 助教授 (70109049)
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Keywords | ビフィズス菌 / 接着 / 糖タンパク質 / 細胞膜糖鎖 / 抗ウサギIgG抗体 / 糖脂質 |
Research Abstract |
ビフィズス菌が特異的に結合する糖鎖を検討するために、まず、糖脂質とビフィズス菌との結合活性の検定を行うのに必要な抗体の作成を行った。ビフィズス菌の培養は炭酸ガス置換したデシケーター内でスチールウ-ル法によって嫌気培養した。少量の還元剤を添加した、酵母エキス0.5%、ペプトン1.0%、Na Acetate0.5%。Na Citrate0.2%、MgSO_40.02%、K_2PO_40.2%、グルコース2.0%を含む倍地(pH7.0)を用いて37℃で1〜2日間培養した。ビフィズス菌の菌体をPBS溶液に懸濁して30分間超音波破砕し、遠心分離して得た沈殿物を数回PBSで洗浄して、これをPBSに懸濁し膜画分とした。菌体に対する抗体の作成は菌体1mgを含むPBS懸濁液500μlをFreund complete Adjvand 500μlと共にウサギに数回皮下注射して免疫した。その後ウサギの耳から採血し、上清より抗血清をえた。この血清についてProteinA-Sepharose CL4Bカラムクロマトグラフィーを行い、ウサギIgG溶液を得た。抗原菌体膜画分と抗体ウサギIgGを用いてゲル内沈降反応(オクタロニ-法)を行い、ビフィズス菌に対するウサギIgG抗体が得られたことが確かめられた。これらの抗血清を用いて、薄層版上に固定した糖鎖に結合した菌体の膜画分をその抗体で検出する酵素免疫測定法により、17種類の糖鎖構造について菌体との結合を検討を行ったところ、Bifidobacterium breve203では糖脂質のGA1に接着すること示されたが、シアル酸が結合したGM1への結合は認められなかった。また同様に試験した乳酸菌でもGA1,GA2,Glob,Sulfatideなどとの結合が認められた。これらの腸内細菌の糖鎖結合特異性についてはピ-ナッツレクチンとの類似性も示唆された。
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