1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680068
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Research Institution | YASUDA WOMEN' COLLEGE |
Principal Investigator |
楠 幹江 安田女子短期大学, 生活科学科, 教授 (40071609)
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Keywords | 要介護老人 / 快適性 / 寝環境 / 衣服 / 自己表現 / 介護服 |
Research Abstract |
要介護老人の快適な生活および幸福度を、衣服サイドより追求するために、前年度に引き続いて、文献調査、衣服実態調査、被験者実験を実施した。得られた結果は次のとおりである。 1)文献調査:要介護老人の生活環境を把握するため、「国民生活基礎調査」「人口動態社会経済面調査」「家政学会誌」「線維製品消費科学会誌」を基に検討した。その結果、生活環境の諸問題は、介護者サイドからの問題点が大きく指摘され、要介護老人サイドの意見はほとんど述べられていない、という事実が指摘された。要介護老人が何を考えているのか、精神的なアプローチが大切であると考えた。衣生活に対しても、介護者サイドの経営がなされていた。 2)衣服実態調査:前年度の予備調査において指摘した点であるが、衣服のライフサイクルにおける<購入-(着用-洗濯-保存)-廃棄>の各段階のうち、廃棄を除いて主体的には行われていない、という結果が本年度においても指摘された。各段階における要介護老人サイドの配慮が求められる。 3)快適な衣服の検討:介護服、いわゆるつなぎ服の快適性について、代表的な3種について、睡眠実験を試み、その使用感と快適性を検討した。その結果、素材、色彩、デザイン共、問題点が多いことが判明した。つなぎ服の使用に関しては、賛否両論あるが、使用する場合、素材は綿を中心とした天然繊維、デザインは褥瘡を予防する意味でシンプルなもの、色彩は明るい色調が望ましいと考えた。その他、サイズについては、個人差が大きいため、各人に合わせた衣服の選択ができるような、半既製品の存在が必要であると考えた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 楠 幹江: "布文化の科学・ナ話" 化学同人, 171 (1998)
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[Publications] 楠 幹江他共著: "新しい衣服衛生・改訂第2版" 南江堂, 254 (1998)