1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
日下 裕弘 茨城大学, 教育学部, 教授 (80177980)
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Keywords | 高齢者 / 生きがい / 自然遊 / ライフコース・ライフヒストリー / 生活価値観・余暇観 / アイデンティティ / 健康 / 人間関係・ふれあい |
Research Abstract |
1 研究枠組の設定 (1)高齢者の一般的特性:身体的・心理的・社会特性を、老年学やエリクソンの「統合」概念より、老化の側面と同様、その主体的・積極的・活動的側面を重視して整理した。 (2)「生きがい」概念の検討:神谷美恵子の「いきがいについて」や見田・作田の価値意識論その他の所見から、その概念を検討し、本研究における概念規定を行った。 (3)「自然遊」の概念の明確化:「日本の自然遊」の特性を、日本人の自然観、古代のアニミズム・多神教観、道教における「自然の摂理」観、儒教における「内なる自然」観、および、特に、荘子の「逍遙遊」の考え方等との関連から考察し、研究枠組の概念として明確化した。 2 現代社会における高齢者の生活意識、余暇意識、「自然遊」意識を探る調査内容の設定 ここでは特に、日本の「近代」が忘れ去った「日間本来のあり方」や「体感」といった要因を取り込み得る調査内容を、おおむね次のような項目を中心に検討・整理した。 即ち、一般的事項(姓、年齢、過去およびの職業・収入、健康・体力の状況)、ライフコース・ライフヒストリー、余暇・遊びのライフコース・ライフヒストリー、生活価値観(信条・生きがい・楽しみなど)、現在の「自然遊」の状況とその意味(生きがいとの関連)など、である。 3 予備調査 平成8年度は、インタビュー、観察参加、質問紙による意識調査などを含め、温泉関係では、青森酸ケ湯・大湯リハビリ、秋田玉川・山形蔵王・天元台、福島飯坂・矢吹・高湯・谷地・蟹洗い・湯本、茨城鉾田・桂村老人福祉センター・御前山村・大子町・水戸・山形町など、登山・ハイキング関係では、茨城県高鈴山・筑波山、福島県安達太良山など、そして質問紙調査については、水戸市、ひたちなか市などの場所で、それぞれ予備的な調査を行った。
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